怪文庫

怪文庫では、多数の怖い話や不思議な話を掲載致しております。また怪文庫では随時「怖い話」を募集致しております。洒落にならない怖い話や呪いや呪物に関する話など、背筋が凍るような物語をほぼ毎日更新致しております。すぐに読める短編、読みやすい長編が多数ございますのでお気軽にご覧ください。

怪文庫

あの怪異

私が大学生の時の話なので、時代は平成半ばです。 親元から離れ、大阪の大学に行っていた私は、とにかく一人暮らしの気楽さを謳歌していました。 その日も悪友3人と繁華街のミナミで飲み歩いていました。 居酒屋を出たときは終電も終わっており、「ネットカ…

ガキジョウロウ

父方の祖父母の家の話です。 風習というか、仏教の教えの宗派の関係なのか、うちはお盆の時期は1日3食のお供え膳と、お盆最終日にお茶を何度も変える「お茶湯」を行うという習わしがあります。 祖父母の家は九州なので、同じようなことをしているご家庭もあ…

一将万骨

とある町のはずれに、小さな神社がある。 その神社はいつからあるのか、なにが祀られているのか、今となっては知る者はほとんどいない、それほどに気にも留められていない、ほとんど忘れ去られたような感じの神社だ。 ただその神社にはこんな言い伝えがある…

メール

高校生の時、自身が体験したお話です。 昔から怖い話や超常現象などのホラー系が好きで当時共通の友達と心霊研究同好会ならぬお遊び程度の部活動をしていました。 表向きはボランティア部だったので、グラウンドなどの草むしりや地域のゴミ拾いをして暇な時…

水子供養

大学を卒業し、就職した年の事です。 職場が京都ということもあり、その時の私は実家を出て京都に住んでいました。 元々実家が田舎でしたので、仕事が休みの日はそこらを散歩したり地図アプリで周辺を調べたり気になるところにはとにかく行ってみるという過…

片道のバス

以前働いていた帰り道のバスで起きた奇妙な体験の話です。 いつも同じ時間、同じ電車とバスに乗り通勤していました。 珍しく終電間近まで残業していた私は、いつも乗っているバスに乗ることができませんでした。 行き先はいつもと一緒でしたが、交通会社が違…

タピオカミルクティー

これは今から5年ほど前に私の友人が体験した出来事を書いたものです。 友人はこれと言って霊感があるわけではないのですが、あの時だけはこの世ならざる者の存在を信じそうになったと言っていました。 以下は友人Aから聞いた話をまとめたものです。 その日の…

海から来るモノ

夏休みになると、民宿を営んでいる祖父母の家で過ごすのが、子どもの頃の楽しみだった。 海まで徒歩1分の好立地の民宿は、一組しか泊まれなかったけれど、夏場はほとんど予約で埋まっていた。 要は大きめの一軒家に祖母と祖父、それに私たち一家ー両親と兄と…

廃校訪れたときの恐怖体験

私が経験した恐怖体験を紹介します。 私が学生の頃、青春真っ只中にあった不思議な恐怖体験のお話です。 ある夜、私は友人たちと一緒に山の中にある廃校へと訪れました。 その廃校は昔、心霊現象が多発していると噂されており、近くにある交差点では交通事故…

ウサギさん

私は勤めていた会社で、奇妙な話を聞いた。 すぐに職員が辞めていく幼稚園があるのだという。 きっと、よっぽど園児のしつけが悪くて、手に負えないってことなのだろう。 とまあ、普通だったら、そう考えるよな。 でも、それがどうやら違うらしいのだ。 園児…

消える写真

俺大学生なんだけど、大学の春休みってあほみたいに時間あるじゃん? だから去年の春休みに、仲のいい友達AとBの3人で3泊4日のドライブ旅行をしたんだ。 あれは2日目に群馬でハイキングした時だった。 その日も3人で気ままにドライブしてたんだが、最近…

友達の頼みごと

懺悔と、わりと本気で頼みたい事があって話す。 どうか最後まで聞いてくれ。 当時学生で、ラーメン屋のバイト仲間だった友達と心霊スポットに行くことになった。 話を持ちかけたのは私だった。 当時ネットでも有名だった心霊スポットが隣の県にあって、私が…

違う世界の私

元々スピリチュアルなことに興味があり、本を読んだりネットで調べたりすることが好きでした。 調べている内にたどり着いたのが、過去の書き換えです。 つらい過去を経験した人が、そんな過去は無いように振る舞っていたら、本当に無くなってしまったという…

ひとり多い

私が従姉妹から聞いた話です。 従姉妹が通っていた中学校のプールには、噂がありました。 必要に応じて、コースロープで区切ることがありますが、20年以上前に第4コースで、溺死した生徒がいるらしい、と。 泳ぎの苦手な生徒ではなかったのに、授業が終わっ…

気が付いたら家にいる

幼稚園から小学校三年生まで、何故か遊びに行くと記憶が飛ぶ場所がありました。 私がそれに気付いたのは幼稚園の時で、その場所と言うのが、園の近くの公園でした。 公園に遊びに行ったはずが、気が付いたら自宅に戻っているのです。 両親は私のこの可笑しな…

天国へ続く道(裏)

私が生まれ育った北海道の田舎町には、「天国へ続く道」と呼ばれる道路が存在します。 その道路は真っ直ぐ続くゆるやかな坂道で、街中から20㎞ほど離れた自然の豊かな場所にあります。 坂の上からは北海道の壮大な景色を眺めることができるため、天気の良い…

とんとんさん

妙に安い物件だな、事故物件とかかな…。 そう思ったんですが、駅近で二路線利用できて、あの広さで、日当たりも良くて…それであの金額なら、多少いわく付きでも… 有名な事故物件を網羅してるサイトにも載ってなかったですし、何かが出るとかじゃないのかなと…

扉の向こうからの「返信」

子供の頃、母親から近所にあるアパートの一室には「絶対に近寄ってはいけない」と言われていました。 理由を訊いても幼かったのでよく分からなかったのですが、とりあえず言うことを聞いて行くことはありませんでした。 そもそもそのアパートには行く用事も…

笑う人形

若気の至りといいますか、いわゆる心霊スポットと呼ばれる場所に行ったんです。 学生だった当時のバイト仲間でもある友人と一緒に、隣の県の廃墟に行きました。 ラーメン屋のバイト明けだったので深夜でしたね。 地元ではどうだったかはわかりませんが、ネッ…

地図にあった井戸

小学校から「危険な場所マップ」なるものが配布された。 身近で危ないと思われている場所が説明されている。 AとCはそんな場所全部知っていたが、一箇所聞いたこともない場所があった。 井戸の絵が書いてある。 当然、悪友二人は肝試しがてら行くことになっ…

猿の夢

子どもの頃から、嫌な夢をたまに見る。 それが20年経った今でも続いている。 台所に猿がいて、そいつは包丁を握ってる。 流し台の上に座り込んで、私を襲うチャンスを狙っている。 歯をむき出しにしてニタニタと笑いながら。 私は腰が抜けて動けない。 何…

海の祠の話

私がまだ幼い頃に、地元で海にまつわる不思議な体験をしたことがあります。 私がずっと幼少期から育ってきた地元は、海に面した小さな町で漁業が盛んでした。 その関係からか、地元で行われる祭りは他の地域に比べて、海に関する神に感謝するものが多くあっ…

○×様の岩

あれは、私が大学生の頃の話です。 夏休みも終わりに近付き、ダラダラ過ごしていた毎日に刺激が欲しくなったのでしょう、友人のTが「週末に何人かで旅行行かない?」と誘ってきたんです。 バイトでお金に余裕もあったので私は二つ返事で誘いに乗りました。 …

最上階の怪異

私の通っていた小学校はどこにでもあるような造りの校舎だったのですが、1点だけ少し変わったところがありました。 最上階だけ他の階と比べて明らかに古いということです。 他の階は廊下が白いコンクリートで造られているのにも関わらず、最上階は木製の古び…

呼ばれる山

「山」という広大な自然は、巷ではスピリチュアルや心霊話をよく聞くと思います。 私もよくネットや怖い話を特集した本で、「山」が舞台であったり「山」で怪異に遭遇し怖い目に遭ったという話を多々見てきました。 山という人間が立ち向かえない広大な自然…

ちゃんちゃんこを着た老婆

私が25才の頃、体験したお話をさせていただきます。 お盆の夜、私は急ぎの仕事があり、一人夜まで会社で仕事をしていました。 夜中12時過ぎ。 階段をゆっくり上がってくる足音がしました。(事務所は2階) 気になり、階段の方を見るも誰もいません。 しばらく…

キャンプ場にいる家族

私の両親はお気に入りのキャンプ場があり、私が5歳から8歳くらいまでのあいだ月1回のペースで行っていました。 基本いつも行くキャンプ場が決まっていて、そこに行くとよく出会うある家族がいました。 キャンプサイトは少し離れたところに設営しているよ…

強い思い

季節も夏に近づき怪談話を聞くようになったので、自分の中で怖いかなというお話をさせて頂きと思います。 これは私が18歳の時、当時私には年下の恋人がいました。 私はもともと依存気味な性格。 恋人が他の異性と話すことや、連絡することさえ無理。 更に…

袖引き

私がまだ大学生だった頃のお話です。 その日は資格講座が長引いたため、やや人混みの減った商店街を通って帰路についていました。 そんな時です。 「お兄さん」 路地裏から柔らかな声がかかりました。 そこには小学生くらいの女の子がいて、こちらに手招きを…

山の中の子供達

私は職業上よく山に行くことがあります。 いわゆる治山(山を治める)の仕事をしており、山で土砂崩れが起きないよう事前に防ぐことを目的とする仕事です。 同業者のAさんはかなり長くこの仕事に努めており20年以上も仕事をしている大ベテランです。 Aさんも…