怪文庫

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あなただよね?

私は小さい頃から霊感があり、家族や友達に憑いている霊が見えたり、路上にたぬきや猫の霊が見えることがありました。

 

小さい頃はこれが霊感があるということだと知らずに過ごし、親や友達に話しても信じてもらえず悲しい思いをしていました。そんな私が、高校生のときに体験した恐怖体験についてお話します。

 

私は高校生のとき、初めて友達に霊感があることを話したのですが、そのとき、友達はある話を私にしてくれました。

 

その話とは、友達の家は築年数90年と古く、昔の書物や人形がたくさんあるようなのですが、その中のある人形が奇妙で仕方ないとのことでした。

 

「あの人形、みてくれない?」と友達に頼まれ、夏休みに友達の家に遊びに行く約束をしました。

 

私は霊感はあるものの、人形から霊気を感じた経験がなく、友達の力になれるかわからなかったので気が進まない気持ちでした。

 

何よりも変なことに巻き込まれたくないな…という気持ちがありました。しかし、断ることができずに時間が過ぎ、ついに約束の日がきてしまいました。

 

話で聞いたとおり、友達の家はとても古く、誰が見ても「何か出そう…」と感じるほど、奇妙な雰囲気が漂っていました。

 

私は家をパッとみたとき、「2階には行きたくない…」と感じました。

 

何かが見えたわけではないのですが、関わってはいけないような雰囲気を感じたのです。

 

友達は、私がこんな雰囲気を感じているとも知らず、陽気に「家の中案内するね!」と嬉しそうにしていました。

 

家の中にお邪魔し、まずは1階を案内されました。外から見た感じとは違い、家の中はおしゃれで築90年も経っているとは思えないほど綺麗でした。

 

1階の様子としては、霊気は感じられず、古い書物や人形などはいくつか見かけましたが、異変は感じませんでした。しかし、私は1階にいたときから、「2階に何かいる!」と感じていました。

 

ここまで距離を保っていても感じるほどだったので、絶対に関わってはいけないものだと思いました。

 

そのため、私は友達に「ごめん。2階にはいけない。」と正直に話しました。すると、陽気だった友達は突然涙目になって「やっぱり?何かいるよね。みえない私でもわかるもん。どうしたらいい?」と言ってきました。

 

正直、本当に関わりたくなかったので帰りたかったのですが、友達が涙目になって聞いてきたのでこのまま帰るわけにはいかないと思いました。「わかった。2階に行こう。案内して。ただ、何かあったらすぐ戻るよ?約束ね。」と話し、2階にいくことにしました。

 

2階に上がると、廊下に昔の書物が飾られ、廊下の突き当たりの机にはたくさんの人形が並べられていました。

 

その中の人形の1つを見たとき、人形に吸い寄せられるような感覚に襲われ、気がついたら人形を手にしていました。

 

手にした人形は、おめかしをした髪の長い女性で着物を着ていました。

 

私は、人形をもっていることに驚き、慌てて元の場所に置き、友達の方を見ました。

 

すると、友達は真っ青な顔をして人形を指さし、「そ、それ、それだよ。」と言いました。

 

私が人形を見て感じたことは恨み妬みといったものだったので、咄嗟に逃げないといけないと思い、友達の手を引いて1階に降りました。

 

そして、友達に私が感じたことを話し、「これ以上は関われないから、あの人形を家族と一緒にお寺に持って行って!」と伝えました。私はとにかく友達の家を出たいと思い、友達には申し訳なかったのですが、急いで家に帰りました。

 

家に帰った私は、身体に謎の違和感を感じていました。

 

言葉にするのが難しいのですが、全身に重りがのしかかり体を押さえつけられているような感覚でした。

 

次の日から私は高熱を出し、学校を休まなければならなくなりました。友達からは「私のせいで本当にごめんね。あの人形、明日お寺に持っていくことになった。」とLINEがきていました。

 

私は明らかにあの人形のせいだと感じていたので、明日あの人形がお寺に持っていかれるまで安心できないと思っていました。しかし、具合が悪くてベッドから離れられず、いつの間にか眠りについてしまいました。

 

私の親は共働きで、その日に限って泊まり込みで働く日だったので、家に居るのは私一人でした。

 

そして、気がついたときには日が落ちていて夕方になっていました。

 

起き上がらなければいけないと思ったとき、下腹部あたりに物凄い重みを感じました。

それと同時に、あの人形から発していた怨念を感じたので、人形をひきつれてきてしまったのだと思いました。

 

私は自分にこれ以上害がないように「南無妙法蓮華経」と何度も唱えました。

 

すると、聞こえたというよりかは頭の中にある言葉が思い浮かびました。

 

「あなただよね?」と。

 

私には何のことかさっぱりわからなかったのですが、人形からくるものではないかと感じました。

 

そのため、私は「私じゃない!」と言い聞かせるように心の中で唱え、唱え続けているうちにまた眠りについていました。母に起こされ目を覚ましたときには朝になっていました。

 

その後、友達はあの人形をお寺に預け、お祓いをしてもらったそうです。私も知り合いの霊媒師にこの出来事を話し、お祓いをしてもらいました。

 

今でも思い出すだけで恐怖心が蘇りますが、友達も私自身も害がなくてよかったなとホッとしています。

 

人の怨念が人形にうつりこみやすいのは知っていましたが、ここまで謎めいた恐怖体験は初めてだったので、とても記憶に残っています。

 

著者/著作:怪文庫【公式】(Twitter