怪文庫

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立体パズル

今から20年以上前に体験した実話を垂れ流させてもらう。

 

オカルト好きなら知ってるかと思うけど、リンフォンって有名な話あるじゃん。立体パズルみたいなやつで、正20面体ある呪物なんじゃないかっていう話。

 

あれと関係してるのか、はたまた全く無関係なのかは定かではないけど、ちょっと気になるところがあるので書き込み。

 

自分がまだ小学校低学年辺りの頃、父方の伯父一家が蒸発した。父の兄に当たる伯父はお金にも困っていたようだし、嫁さんとも折り合いが悪く、高校生の一人娘も荒れていた。一言でいえば家庭崩壊してた。

 

だから蒸発したと聞いても「借金を踏み倒して逃げたんだろう」って感じで特に事件性はなかったと思う。

 

父と伯父は物心つく頃から不仲で行き来もなかったし、父に至っては「あいつは昔から無責任な男だ」って言って気にも止めてない感じ。ただ、長男である伯父の家にある仏壇を引き取りたいってだけで、超事務的に動いてた。

 

仏壇は無事に我が家へやって来て、それからはうちの一家が仏事全般を執り行ってきた。で、仏壇って色々と小引き出しがあるでしょ、あの中に数珠だの娘の成績表だのなんだのと入れられてたんだけど、箱に入ったそれこそリンフォンみたいな立体のパズルが見付かったわけ。

 

後だしになっちゃったけど、自分には年の離れた兄貴がいて、これがそのパズルに興味を持ってしまったのね。

 

兄貴は勉強やスポーツが得意で県でもトップクラスの進学校の、さらにエリートクラスにいた。小さい頃からあっという間にルービックキューブを完成させちゃってたし、パズル自体が好きだったのもあったんだと思う。

 

リンフォンて説明書が付いてて、組み立て方で熊→鷹→魚に形を変えることができる、ってところが面白いって代物だったみたいだけど、この仏壇に入ってたパズル?らしきものには説明書らしきものは無し。

 

だけど、何をどうしたらそうなるのか自分には仕組みが分からないけど、兄貴はそのパズルで色々と作ってたみたい。

 

本を借りようと思って、勝手に兄貴の部屋へ入った時に、精巧な鳥の置物があったんで、よく見るとあのパズルから作ったみたいだったんですごいビックリしたのを覚えてる。あのパズルって鳥になるおもちゃだったんだー、兄貴はよく作れたなって思っただけだけど。

 

長くなるからかいつまんでかく。

 

結果から言うと、リンフォンみたいなパズルにハマった兄貴だけど、その後、落ちることなく無事に大学へ進学。

 

相変わらず勉強の合間にパズルをいじってはいたみたいだけど。もちろんパズルは進学先に持っていった。で、ほとんど実家に帰省することなく、卒業間近とつぜん失踪。

 

失踪直前のことだと思うけど、実家に殴り書きみたいな筆跡で「絶縁届け」を送ってきただけ。親はすぐに警察に失踪届けを出したんだけども、なかなか見付からなかった。

 

まあ元々父親と折り合い悪かったし、いつかこうなるような気配はあったかな。自分とも仲が良かったわけでもないし…というか、一緒に暮らした期間も短くて、正直彼の人となりが兄弟とはいえよく分からないんだよね…会話もめったにしなくてさ。母親は兄貴を可愛がってたから、すごいショック受けてたけど。

 

因みに伯父は、全く縁も所縁もない土地で見つけた内縁の嫁と暮らしてたみたい。それで、ああ奥さんとは離婚してたんだなって思った。

 

伯父が死んだことも内縁の嫁さんから連絡がきて知ったってだけで、今もお骨はその嫁さんのとこにあるみたい。糖尿病こじらせて、片目を失明して両足は切断しての死だったそう。

 

兄貴なんだけど、結局失踪してから四年目に見付かってる。実家とも大学先とも関係ない土地で、バイクで事故ったところを保護されて何だかんだあって警察から連絡が来た。

 

解離性障害っていうの?

失踪する1、2年前からの前記憶がないそうで。今は落ち着いてるけど、時々意味不明な事を言うときもある。

 

あのパズルはどうなったのかは知らない。聞いてもポカンとしてるか、考え込むような顔して終了のどっちか。

 

ただねぇ、この一連の流れを何故リンフォンと関連付けたかっていうと、伯父も兄貴も「門が開きそう」「皆を出してやらなきゃいけない」「連れていかなきゃ」って言葉を口にしてたから。

 

兄貴は失踪前に、自分にメールしてきた(メールが来ること自体めちゃくちゃ珍しい)。

伯父は内縁の嫁さんに病床でよく言ってたんだと。

 

リンフォンの話に「出して」って大勢の男女が言ってるとか、そういう件があったよね?それに、アナグラムでリンフォン=インフェルノ=地獄だって言う話だったでしょ?

 

RINFONE= INFERNO

 

何か、二人とも地獄の門に足突っ込んだのかなって思ったんだよね、感覚的にね。兄貴も事故ったとき片足切断してるしね。単なる偶然なのかな。

 

あんまりパズルが中心の話になってなくてごめん。でも、今でも何か気持ち悪いなって思って吐き出してみた。

 

リンフォンの作者が最後に「2つ目がないことを祈る」って締め括ってるけど、どうなんだろうね…。もしも呪物だとしたら、それこそ世界中にあるのかもしれないよね…。

 

因みに、伯父一家が蒸発したときに父が仏壇の様子を見に行ったら、まるで仏壇が泣いているようにびしょ濡れだったらしい。

 

とりとめのない話になっちゃったけど、読んでくれてありがとう。

 

著者/著作:怪文庫【公式】(Twitter