私は、40代の者です。
私が住んでいる沖縄には、ユタという霊媒的な方々がいるのですが、そのユタの修行場となっている場所に、ユタではない人が入ると、奇妙なことが起こるのです…。
普通では考えられないかもしれませんが、警察署から「ユタの修行場のため、立ち入り禁止」の看板があるところまであります。
沖縄に元々住んでいる、地元の人からしたら、あまり足を踏み入れたくない、避けたい場所でもあります。
全国各地にも、心霊現象が起こる場所はあると思うのですが、そういった場所でも、興味本位で足を踏み入れる人も中にはいると思います…。
ユタの修行場となっている場所には、キレイな夕日を拝める場所もあり、観光客や知らない人からすると、思わず足を踏み入れると思うのですが、高次元な世界とつながっている場所でもあり、低級霊が集まる場所でもあります…。
ユタの修行の目的は、その低級霊に打ち勝つ、強い精神力を鍛えることです。
強い精神力がなければ、霊に打ち勝つことが出来なくて、高次元な世界の霊に憑依されやすくなるのです…。
修行をしたユタには、強い精神力があるため、そこに足を踏み入れても、何事も起こらずに済みますが、一般の人が足を踏み入れると、憑依され、奇妙な出来事が起こってしまうのです…。
ユタの修行場の中には、霊に憑依されやすい危険な場所も数多くあり、私がお話しするのは、その中の1つ「森川公園」についてです。
この森川公園は、昼間でも暗い雰囲気に包まれているのですが、公園の一番上は、眺めがいいので、訪れる人も多い場所です。
私は、友人たちと5人で、その森川公園に訪れたのですが、最初から嫌な感じがしていました。
しかし、友人たちは、別に何でもないようだったので、気にせず、公園に入っていきました…。
砂場の近くに行くと、女の子が遊んでいるのが見えました。
何か異様な雰囲気だったので、私は砂場には近づかなかったのですが、ほかの友人たちは、砂場のほうへ走っていったのです…。
4人いるうちの1人に、女の子が話しかけています…。
しかし、話しかけられた友人は、その女の子が見えないかのように無視しています…。
しばらくして、別の友人が、女の子と話していました…。
私は、「ただの考えすぎか…。」そう思い、気にしませんでした…。
砂場から離れ、公園を歩いていると、公園の中には、洞窟があり、「ここから先は、霊域により命の保証は出来ません」との看板が出ているのですが、それを無視して奥に進んでいくと、見知らぬ女の子の霊が私に話しかけてきました…。
「ここから先にはいかないで!すぐ戻って!」
私は、女の子が先に行ってほしくない理由があるとは思ったものの、子ども特有の秘密基地か何かなのかと思い、「なんか隠しているの?(笑)」そう言って、先に進んでいったのです。
後悔しました。洞窟の奥には、首から血を流した女の人が立っていました。
驚いた私は、ほかの友人たちに早くここから出ようと言ったのですが、ほかの友人たちには見えていないようで、
「なんでよ!ここ涼しくて居心地よくない?しばらく居ようよ。」「何焦っているんだよ!彼女との待ち合わせでも忘れていたか?(笑)」などと言っていました。
私は、どうにか洞窟からみんなを出したのですが、その中の1人が奇妙なことを言い出したのです…。
「私は、まだ死にたくない…。痛いよ…。痛いよ…。助けて…。」そう言って、首を抑えています…。
ほかのみんなは、何を言っているのかわかりませんでした…。
「何ふざけているんだよ!首が痛いのか?首が痛いくらいで死ぬか!男のくせに明日病院にでも行ってみてもらえ!」そう言っていました…。
しかし、私には見えていたのです…。
その友人の後ろ、はっきり言えば、友人に重なって女の人がいることが…。
その女の人は、洞窟の中で見た女の人でした…。
友人は、洞窟の女の人に憑依されていたのです…。
首が痛いのは、切られているから…。
首を切られて、洞窟に捨てられ、そのまま亡くなったのかもしれません…。
私は、どうしたらいいのかわからず、おばあに電話しました。私のおばあは、ユタの修行をしていました。
おばあが言うには、「すぐにその場から離れなさい!塩・お酒・生米を買って家に来なさい!」そう言われ、おばあの家に友人を連れて行くと、「大変だ…。すぐに始めないと…。」そう言って、おばあは、何か霊と話し始めました。
おばあが話し始めて、1時間後、友人は、首の痛みもなくなったようでした。
私が友人に、「お前なぁ、驚かすなよ…。」そう言うと、友人は、「なんで、お前のおばあの家にいるば?公園の洞窟にいたさ…。」
友人は、公園の洞窟の中からおばあの家に来て、除霊してもらうまでの記憶がなかったのです…。
その時から、ユタの修行場と言われるところには足を踏み入れていません。
皆さんも沖縄に来た時には、ユタの修行場と言われるところには、絶対に足を踏み入れないほうがいいですよ…。
著者/著作:怪文庫【公式】(Twitter)