私は小さい頃から俗に言う「霊感」がある体質だと考えています。
親からも、私が幼少期の頃、時折不思議なことを言っていたようです。
親には見えていない人が見えていた、など。学生の頃は友達と心霊スポットに行くと、私だけ人影が見えたり声が聞こえたりすることはしょっちゅうで、時には連れて帰ってしまうこともしばしば。
特に20代の頃は、その人が連れている背後霊みたいな人や動物?も見えることもあり、私のことを信じてくれている人には見えたものをそのまま伝えていました。
その連れている人の思いが強ければ強いほど姿がはっきり見えたり、中には声も聞こえたりすることがありました。
印象的だった人は、同僚の知人の男性で、背後に見える人がみんな女性、しかも怖い顔をした人ばかりで、それをその知人に伝えると、その男性は女遊びが絶えない人だとのこと、きっと過去の悪事が女性の生き霊としてその男性についてしまっているんだなと感じました。
そんな私が大学時代の友人との実体験です。
私は大学時代にバレーボール部に所属していたのですが、ある日、部のマネージャーの男の子(Aさん)のお父様が病気でお亡くなりになりました。
数ヶ月した後、みんなで部活帰りにご飯を食べに行った後、Aさんが私を車で家まで送ってくれました。
私の家までの道中、ふとした事からAさんお父様の話になった時、頭の中で知らない男の人の声が聞こえました。
その内容が、私が当時住んでいた一人暮らしのマンションとは全く違うエリアの事で、「あのパチンコ屋の角は気をつけろ」や「ここの道は気をつけろ」など。
よくわからずAさんにその話をすると急に黙り込み、「それ自宅(Aさん)の近くだ」と。その後も私が知らないAさんの家庭の事情や、残されたAさんのお母さんのこと、Aさんとその男性のエピソードなどが私の頭の中に聞こえてきて、それをAさんに伝えました。
するとAさんが「生前、父親がよく言っていた事だ」と教えてくれました。
最初に聞こえたパチンコ屋の角や道の話は、Aさんの自宅近くの場所らしく、いつも車通学をしたいたAさんはお父様から「あのパチンコ屋の角は自転車が多いから気をつけろ」や「あの道は狭いから飛び出してくる人に気をつけろ」などと言われていたとのことでした。
かなり前の話なので詳細は覚えていませんが、部活のメンバーや私自身も知らないAさんの話が頭の中に聞こえてきて、Aさんに伝えていたと思います。
Aさん自身もお父様が入院中不思議な体験をしたとのことで、自宅でお母様が一人でソファでうたた寝をしていた時に、お父様が急に現れて毛布をかけてくれたとのこと。
はっと目が覚めて、それが夢であったと気付き、体の上を見ると本当に毛布がかけられていたとのこと。
もしかしてAさんがかけてくれたのかとお母様に聞かれると、Aさんはたった今帰宅したため毛布をかけることができなかった、と言う話を教えてくれました。
Aさんは私が昔から「霊感」がある体質だということを知っており、私の頭の中に聞こえた声についても、「きっと父親が心配して来てくれたんだろう、突然病気になり心残りはあったはずだ」と言っていました。
かなりの時間を車の中で費やし、私の頭の中でも声が聞こえなくなったところでAさんとも別れました。
その後、マンションに到着し玄関を入る瞬間に「ありがとう」という声が頭の中で聞こえたのが最後、もうその声は聞こえなくなりAさんと会っても聞こえなくなりました。
鮮明に頭の中で声が聞こえた体験はその時が最後で、その後は大学を卒業し、就職し結婚し、と時が流れていく中で徐々に「霊感」という感覚は薄れていったように感じます。
学生の頃のように、あまり友達と夜更かしをして語り合うという時間が減ってしまったからかもしれませんが、不思議な体験をすることも減ってきました。
ただ、時折急に寒気を感じたりただならぬ嫌な予感というものを感じる時があります。
また、職場の同僚にはこの話をしていませんが、同僚の中には、この人は気をつけた方がいいな、と何も根拠がないのに感じることがあります。
昔私には「霊感」があったことを思い出し、嫌な予感がする時は気をつけなければいけないと今でも言い聞かせています。
現在、私には3人の子供がいますが、もしかしたら誰かは私のこの「霊感」を受け継いだ子がいるかもしれません。もし、子供が何か不思議な事を話はじめても私が幼少期そうだったように受け止めてあげようと思っています。
みなさんは私のような体験をした人がいるでしょうか。
私は今までに私と似た体質の人と会ったことはありません。テレビでよく見るホラー番組や実体験番組を見たことがありましたが、あまり恐怖などは感じたことがありません。
本当にこの世に「霊感」というものはあるのでしょうか。
私がAさんと体験した話は今でも不思議であり、その時は時に恐怖等は感じませんでした。
もし私以外の人で私と同じ体験をした人がいれば、体験話を共有し合いたいと思います。
著者/著作:怪文庫【公式】(Twitter)