7年前のことです。当時私は不妊治療を始めて5年が経っていました。
辛い治療に疲れゴールの見えない毎日にストレスを感じていました。
ある時病院の待合室でふと目にした雑誌を何気なく開いたところ、京都の化野念仏寺の写真が載っていました。
私は初めて知る場所だったのですが、その日からなぜかその場所が気になって仕方なくなりました。
気にしているせいかもしれませんが、たまたまつけたテレビで念仏寺が映っていたり、
周囲の人との会話の中にも「化野念仏寺」が出てきたりしていました。
とにかくずっと念仏寺の事が頭から離れず、思い切って友人を誘って行ってみることにしました。
調べると京都の有名な観光地のようだったので、観光客も多いだろうな・・・人が多いのは嫌だなと思っていました。
ですが当日、平日ではなかったのに、そこは閑散としていました。
まず印象としては、静かで緑の苔がきれいなお寺さんでした。
入って数分くらいすると、何だか胸がざわざわしてきました。胸が詰まるようなそんな感覚でした。
それでも特に気にせず友人と会話をしながら周っていると、たくさんの小さなお地蔵さんが所狭しと並んでいる場所あたりで突然悲しい気持ちになりました。
日頃のストレスのせいで情緒不安定になっているのかなと思いました。しかしどんどん悲しい気持ちは膨らみ、涙があふれそうになったきてしまいました。
友人に「なぜか泣きそうになってきたんだけど…」と伝えました。
さっきまで楽しく会話しながら苔に癒されるねなんて話をしていたので、突然の私の涙にとても驚いていました。
友人が心配して肩に手を優しく置いて落ち着くまで待ってくれました。
なぜ涙があふれるのか全く理由はわかりませんでした。よっぽどのストレスを抱えているのかと自分でも引くぐらいでした。
そのあとも胸の違和感とざわざわした気持ちは消えませんでした。
落ち着いた後は、もう出ようということになり奥までは行かず別の場所へ観光に行きました。
念仏寺を出た後はその場でも気持ちもすっかり忘れたかのように、いつも通り友人と楽しみました。
それからも念仏寺のことは頭からはなれず、不妊治療中ということも続いていたので
ハワイのヒーリングができる方とお会いしてお話をする機会がありました。
元々スピリチュアルな事に興味があったので癒されたい為にヒーリングを受けました。
その時にまずそこで言われたのが、「前世の事で気になることがあります」と言われました。
その方は前世も見えるそうで半信半疑でお話を聞いていました。
そこで驚いたのは、どうやら例の化野念仏寺は私に関係がありそうということ。(この時当然念仏寺に行って変な体験をしたことなどは一切お伝えしていません)
その方が言うには、
「着物を着ている私が船に乗っているのだけど、亡くなった赤ちゃんを抱いて泣いている」「子どもを昔亡くしてるね」「お寺が見える、近くの川かな?」「やたら気にある場所があるなら、絶対に行ったほうがいい。意味があるから」
そんなことを言われました。
そこでハッとした私は念仏寺の事をお話ししました。
するとまずもう一度行って水子供養の場所があるからお参りをしてきなさいと言われました。
そこでお線香をあげて「ごめんね、大丈夫だよ、愛しているよ、ありがとう」と伝えてきなさいと。
なぜかスッとそのお話が胸に入ってきたので、すぐにまた念仏寺へ行きました。
前回ちゃんと調べずに行った私も私です、そこはヒーリングの方がおっしゃる通り水子供養でも有名なお寺さんでした。
今度は胸が少し悲しくて胸が詰まる思いがしましたが、普通に入って行けました。
お寺の奥へと進んでいくとおもちゃがお供えしてある場所にたどり着きました。
もってきたお線香を焚いて言われた通りお地蔵さんに伝えました。
伝えながら泣いてしまいました。本当に自分の子どもが供養されているような気持ちだったのかもしれません。とにかくとても悲しい気持ちでした。
ただやっと会えたみたいな、安心したような不思議な感情もありました。
でもそのあと自然と笑顔になり、気持ちがスッと軽くなりました。
後々調べると、念仏寺は心霊スポットでもあるそう。なんでも昔、弘法大師が作ったそのお寺は風葬をしていたそうです。
私は悲しい気持ちにはなりましたが、心霊スポットだと知っても怖いという気持ちはありませんでした。
ただ今でもあの場所は自分にとって大事な場所だと思っています。
後付けの感情かもしれませんが、また行こう!また会いに行くねという気持ちです。
本当に自分の前世にかかわっているかどうかはわかりませんが、今でも化野念仏寺と聞くと特別な思いがします。
この投稿を書いている今も前半は右耳だけが突然詰まったようになり、耳鳴りがずっとしていました。
ちなみに二回目に化野念仏寺を訪れた後、関係あるかないかはわかりませんが、無事に妊娠しました。
ただ一度目の妊娠後初期流産してしまい、その後判明した妊娠は一卵性の双子でした。
私はいつかの私の子どもがどうしても生まれたくて戻ってきてくれたのかなと思っています。
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