• 2025年9月4日
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夏の日に消えた家

小学三年生の夏休み、僕は近所の川沿いにある水辺公園で遊んでいた。   蝉の鳴き声が耳をつんざくように響き、その声はまるで溶けかけた熱気をさらに増幅させるかのようだった。日差しは強く、肌にジリジリと焼き付くような感覚があった。アスファルトの地面からは熱気が陽炎のように立ち上り、遠くの景色を歪ませていた。   僕はいつものように、公園の木陰にある古いベンチに腰掛け、手に持ったゲーム機の画面に夢中になっ […]

  • 2025年9月1日
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窓に貼られた紙

これは、俺が大学1年のときに住んでたアパートで起きた話です。 いまだにあれがなんだったのか説明できないし、思い出すとゾワっとするから、ずっと誰にも話さずにいた。でも、ここに書くことで少し気が楽になるかもしれないと思って書いてます。   当時、大学に進学してやっとの一人暮らしで私鉄沿線にある築30年のボロッボロの木造アパートに住んでたんです。 大学からは自転車で15分くらい。でも駅も近くて、家賃が3 […]

  • 2025年8月29日
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立つ男

10年前の夏ももう終わろうかという日の出来事です。 まだまだ残暑も厳しく、夜もムワッとした暑さが残るなか毎日のように残業が続いていました。   当時、私は、始発駅から終点駅まで長距離の通勤をしていました。片道1時間以上かかる通勤です。 引っ越しも考えてはいましたが、当時付き合っていた女性の実家も近く思いきれない感じで、しかたなく朝は早起き、夜は遅くという生活をしていました。   ようやくその日も仕 […]

  • 2025年8月23日
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顔のない女

私は昔から、「気にしすぎ」と言われるタイプでした。   人のちょっとした言い回しや、沈黙の意味・空気の変化なんかがどうしても気になってしまって、無意識に考えすぎてしまうんです。 自分でも疲れることがあるくらいで、周囲からも「気にしなくていいのに」と言われることが多かったです。 でも…あの時だけは、その気にしすぎが間違いじゃなかったと思っています。 当時の私は、写真にハマっていて、休日は一眼レフを持 […]

  • 2025年8月22日
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同じ客

これは俺が大学生の時、深夜のコンビニでバイトしてた頃の話だ。   そのコンビニは県道沿いにあって、夜中は本当に客が少ない。トラックの運ちゃんが缶コーヒーを買いに来るくらいで、午前2時過ぎなんて1時間に1人来るかどうかって感じだった。   問題の夜は11月の平日で、いつものように俺1人でレジに立ってた。あれは確か午前3時頃だったと思う。自動ドアが開いて、30代くらいのサラリーマン風の男が入ってきた。 […]

  • 2025年8月15日
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地図に載っていない町

都市伝説や怪奇現象というものは、山奥の村や過疎地の旧道のような、いわゆる“人がいない場所”で起きるというイメージがある。 僕自身、そう思っていた。少なくとも、東京の中心部のような場所で、そういうことが起こるなんて想像もしなかった。 だが実際に体験してしまった以上、それを否定することはできない。 あの出来事が何だったのか、今でもよく分からないままだ。   その日、仕事が長引き、帰宅が終電間際になった […]

  • 2025年8月14日
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ホテルに泊まった時の話

10年くらい前の話である。   とある日、私は地方に好きなバンドのライブのために遠征に来ていた。   ライブが終わり、友人達何人かとご飯を食べて、お酒を飲んで、楽しくわいわい騒いで気がつけば深夜3時を回っていた。   地方を回るのでずっと金欠だった私はその日寝泊まりする場所を確保していなかったので、近くのネットカフェに電話をして空席があるか確認したところ、どこも空いていなかった。   どうやら、こ […]

  • 2025年8月8日
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古民家カフェ

私が友人と隣県へ旅行に行った時のことです。   その頃の私は仕事があまりうまく行かず、パワハラの加害者になっているような状況でした。もちろん私は身に覚えがなく、行き違いによる誤解が原因でしたが結局は周りからは「そういう人」というレッテルが張られることとなりました。   出勤することも毎日苦しい日々でした。   そんな時に学生時代の友人に誘われて旅行に行くことにしたのです。   定期的に遊びに出かけ […]

  • 2025年8月7日
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初めての心霊体験

私は中学生の頃から不思議なものを見る事が多くなった。   見えるものはいつも視界の端で、黒シルエットのものが大半を占めている。   時折、現実の人間と遜色のない状態で見る事もある。しかし、私はこの事を特定の友人以外に言うことは無かった。   当時、私は視界の端にチラチラと何かが映る状態は「飛蚊症」というものなのであり、治療法もあまりないものだと思っていたからだ。   話していた友人というのも霊感少 […]

  • 2025年8月1日
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古いビルのエレベーター

私がこの出来事を経験したのは、もう数年前のことになります。 当時、私はアルバイトで深夜のオフィスビルの清掃業務を請け負っていました。 都内にあるかなり年季の入ったビルでした。昼間はそれなりに人の出入りがあるのですが、夜中になると人気が全くなくなり、それがまた、何とも言えない不気味な雰囲気を醸し出していました。   そのビルには、古いエレベーターが二基ありました。ガタガタと音を立てながらゆっくりと昇 […]