• 2026年1月2日
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祀られた女

私の故郷は山間の小さな集落で、人口は百人にも満たないような場所でした。   今でこそダム建設でほとんどの家が移転しましたが、子どもの頃はまだ人の暮らしが残っており、奇妙な風習も数多くありました。   中でも、村の北側にあった「祀女(まつりめ)様」という存在だけは、今でも忘れられません。   祀女様というのは、村の古い祠に祀られている“女性の霊”のことでした。   村では年に一度、集落の代表の家がそ […]

  • 2025年12月31日
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夜鳴き

俺がまだ中学生の頃、母方の実家がある町で奇妙なものを見た。   正確に言えば、“見た”というより、“聞いた”のかもしれない。   それは、今でも思い出すたびに背筋が冷える。そんな音だった…   母の実家は、県境の山奥にある古い集落だった。山と田んぼに囲まれた小さな集落で、電車の駅から車で30分ほど。   電車に乗れることと壮大な庭に山もある。近所には歳の近い子達もいた。都会じゃ味わえない冒険なんか […]

  • 2025年12月26日
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藁人形

これは僕が大学に通うために、初めて部屋を借りたときのことです。 いくつかの不動産屋さんに案内してもらいましたが、大学の近くには古いアパートばかりでした。 正直に言うと、せっかくの大学生活なのに古臭いアパートには住みたくないと思っていたのです。   めぼしい物件も見つからず、半ば諦めかけていた頃のことです。ある不動産屋さんで、比較的新しいマンションを紹介してもらいました。 ただしその物件は、大学から […]

  • 2025年12月19日
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カーテンのない部屋

これは、わたしが出産後、いろいろな事情のため、僅かな間、子供と一緒に隠れ住んだ古いアパートで起きた出来事です。 そのアパートは、築40年以上は経っていて、見るからに傷みが進んでいました。   しかし当時のわたしは貧しく、また、できるだけ早く子供と住むことができる場所を見つける必要があったのです。   そしてそのアパートは、敷金礼金が不要であり即日入居可かつ家賃が破格に安かったため、他を選ぶ余地があ […]

  • 2025年12月18日
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化野念仏寺

7年前のことです。当時私は不妊治療を始めて5年が経っていました。 辛い治療に疲れゴールの見えない毎日にストレスを感じていました。 ある時病院の待合室でふと目にした雑誌を何気なく開いたところ、京都の化野念仏寺の写真が載っていました。 私は初めて知る場所だったのですが、その日からなぜかその場所が気になって仕方なくなりました。 気にしているせいかもしれませんが、たまたまつけたテレビで念仏寺が映っていたり […]

  • 2025年12月12日
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黒い呪い袋

これは、私がまだ地方の大学に通っていた頃、実家のある集落で実際にあった話だ。 あの一件以来、私は“神社に奉納されたものを触ってはいけない”という言葉を心から信じている。   私の地元は、山間部の小さな集落で、人口も100人を切るくらいの限界集落だった。 夏になると決まって「火伏せ祭り」という行事があって、集落の中央にある小さな社に、家ごとにお供えをしていく風習があった。 お供えといっても、お酒やお […]

  • 2025年12月5日
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俺は夜勤の仕事をしていて、家に帰るのはいつも朝方になる。  その日も、夜通し働いて体はクタクタだった。 普段なら帰りの道もぼんやり歩いてしまうのだが、なぜかその日は街灯に照らされた歩道の影や、車の排気音が妙に気になった。 朝方の街はいつも静かだが、今日は少し違った。小さな物音にすら神経が反応する。 「早く帰って寝たい」心の中で何度もそう思いながら、アパートの廊下を歩く。   自分の部屋の前に立つと […]

  • 2025年12月1日
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北側九軒

東北の山あいに、小さな集落がある。戸数はわずか二十軒足らず。道を挟んで北に九軒、南に十軒。   ごく普通の農村だ。   だが、この村には長年、外にはあまり語られない噂があった。   北側の九軒では、必ず誰かが自ら命を絶つ――。   記録をたどれば、最初は三十年ほど前。   ひとりの農家の主人が蔵の梁に縄をかけ、首を吊った。   その数年後には、隣家の嫁が川に身を投げた。   さらにそれから数年、別 […]

  • 2025年11月28日
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古い大きな鏡

我が家は古い。しかし、古民家のような古さではなく、鉄筋の老朽化した建物のため、どちらかといえば廃墟の学校のような冷たさを感じてしまう。 それは、過去に会社をしていた名残なのだが、母屋に増築されて、コの字型作られた建物に複雑な出入口があちらこちらにある。初めてきた人は母屋がどこかわからず迷うほどだ。   その会社だった入口を開けると大きな、大きな鏡がある。   大きな鏡で、なぜそこに置かれたのかは知 […]

  • 2025年11月23日
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ゴキブリと小さいおじさん

私は小学生のとき、今でもはっきりと覚えているとても不思議で、少し気持ち悪くて、それでいてちょっとだけ嬉しいような体験をしました。   もしかしたら信じてもらえないかもしれないけど、これは私と母が本当に体験した“奇妙なできごと”です。   まず、「小さいおじさん」ってご存知ですか?たしか私がその存在を知ったのはテレビだったと思います。深夜番組か何かで、「小さいおじさんが見えるといいことが起こる」とい […]