怪文庫

怪文庫では、多数の怖い話や不思議な話を掲載致しております。また怪文庫では随時「怖い話」を募集致しております。洒落にならない怖い話や呪いや呪物に関する話など、背筋が凍るような物語をほぼ毎日更新致しております。すぐに読める短編、読みやすい長編が多数ございますのでお気軽にご覧ください。

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お盆の時期の墓参り

これは、私がまだ高校生の時の出来事です。

 

その日はとても蒸し暑い日でした。

 

私は両親、兄2人と私のごく普通の5人家族の末っ子です。

 

お盆ということもあり家族で父方の祖父母の家に行きご先祖様のお墓参りに向かいました。

 

祖父母の家で父方の姉夫婦の家族と合流し合計約10人でお墓参りに向かいました。

 

お墓はどこにでもあるよううな色々なお墓が集まるような墓地でした。

 

毎年お墓参りには行っていたので恒例行事の感覚で私はお墓に向かっていました。

 

お盆ということもありたくさんの人がお墓参りに来られていて小さな地域だったので、顔見知りも多くたくさんの方に挨拶をしながらのお墓参りになるのでお墓参りをするまでに時間がかかってしまいます。

 

不謹慎にも早く帰りたいなと思ってしまうような時間です。

 

一通り挨拶が済みいざお墓に入るのですが私がお墓に入った瞬間に、両肩を後ろから強く押されたような感覚になり後ろを振りかええると兄と従兄弟が笑いながら馬鹿話をしていました。

 

肩に重みを感じ少し夏なのに肌寒さを感じてしまい早くお墓から出たいと強く思うようになりました。

 

何かを感じたとかそういったことではなかったのですがずっと肩が重く肩に何か乗っている感覚が続きお墓を出て家に帰ってもその感覚があり気持ちが悪かったのを覚えています。

 

その日は普通に自宅に帰りいつも通りにご飯を食べて寝たのですが、夜中に突然誰かが自宅の階段をドタドタと登ってきて私の部屋の扉を開けるような感覚がして起きようとした瞬間でした。

 

人生で初めての金縛りにあい起き上がれなくなりました。

 

起き上がれないだけならいいのですが何かが私のお腹の上にのり私の顔の方に向かって手を伸ばそうとしていたのです。

 

私も金縛りに合っていて目があまり開かず細目で確認していたので、それが何かは分かりません。

 

ただただ身の危険を感じ思いっきり体を起こそうとした瞬間です。

 

それまで体が重く感じていたものがスッと軽くなり肩の重みもなくなりました。

 

部屋は真っ暗で扉も開いておらず何かの勘違いだったと安心しながら部屋を見渡すと、部屋の天井の隅っこに白いモヤモヤとしたものがジッとこちらを見つめています。

 

私は急に体が冷たくなり冷や汗をかいていました。

 

身の危険を感じた私は部屋の明かりをつけてすぐに部屋を飛び出しリビングに向かいました。

 

その後のことは私にはわかりませんがお墓参りの後の出来事ということもあり除霊死を呼び部屋と私の体を見てもらいました。

 

結果、私には何も取り付いていなかったのですが部屋には強い悪意を持った何かがいると言われすぐに除霊をしてもらいことなきを得ました。

 

ただ今でも思うのですが、もしあの時金縛りが解けなかったらと思うと…

 

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