• 2026年5月22日
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片面の怨念

カセットテープって今の時代じゃあまり馴染みが無いでしょう。   私も道端に落ちているプレーヤーを見つけた時、それとわかるまでちょっと時間がかかりましたから。   野ざらし同然に落ちていましたから、手に取っても最初は動くとは思ってなかったんですよ。でも確認したら中にテープが入っていて、驚くことに電源もオンにできたので好奇心で再生してみたんです。   実際の音声はもう少し途切れ途切れでノイズ交じりでし […]

  • 2026年5月18日
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奥の鏡

もしかしたら私は異世界に行ってきたかもしれない。   前職で私は若者向けのアパレルブランドのショップで販売員をしていた。   お店は東京都内のある商業ビルの中にあって、館内はけっこう広かった。   だけど、昔屋上から飛び降り自殺があったとか、幽霊が出るだとか、そんな噂もあるビルで、実は私は少しだけ霊感的なものがあるのだけど、まあ…ここでも確かにそういうのは見えた。   お店の営業時間は朝十時から夜 […]

  • 2026年4月23日
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黒いお話

私の親戚の、知人からとある相談を受けまして。   その相談の内容というのが知人の過去の体験も関係がありそうなので、まあ順を追ってお話ししますね。   何十年も前の話です。その知人の地元には定期的に紙芝居屋さんが来てたそうです。   今の子たちにはちょっと馴染みがないかもしれませんね。   自転車の荷台に木枠で作った台を置いて、お小遣い片手に集まった子供たちに向けて紙芝居を見せるんです。   当時の […]

  • 2026年4月22日
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諍いを消す者

先日他界した父の話です。   もう随分昔の出来事だそうですけどもね、こうして機会を頂いたので、少しお話しさせてもらいますね。   私の父の故郷ってのが、ちょっと変わってるというかクセがあるというか。山中の集落だったんですけど、その集落ぐるみで不思議な像を祀ってたらしいんですよ。   御仏像でも似たようなのがあるんですが、木製の…手を広げて伏目に微笑んでいる菩薩様のような出で立ちの像でして。等身大の […]

  • 2026年4月17日
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繋がるバス停

私の実家はすごい田舎にあるんだけど、そんな田舎の学校でも語り継がれる七不思議があるの。   その七不思議のひとつの話で学校の近くにあるバス停の話があるんだよね。   『天候が大荒れの日に、とある時間にそのバス停から出るバスに乗り過ごすと、来るはずのないバスがやってくる』   田舎だからバスなんか乗る人も少ないし、1時間に1本程度しか来ないから、都会と違って臨時便なんて絶対に来るはずが無いんだけど、 […]

  • 2026年4月15日
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千里眼の祠

これは私の友人から聞いた20年前から現在にかけてのお話です。   わかりやすいようにこれから私が友人の立場になって聞いたお話をお伝えしようと思います。   二十年前。   私は趣味で車やバイク、自転車に乗り田舎の自然を散策して野営することが生きがいである。   ほとんどが気まぐれ思い付きによる放浪だがインターネットでみた情報をもとに活動することもある。   夏の暑い日にネットで検索してみるとあるブ […]

  • 2026年4月13日
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猫のかたまり

私がまだ小学生の頃の話です。学校の近くに神社がありました。   境内がけっこう広かったので、毎日のように友だちとよく鬼ごっこやキャッチボールなどをして遊びました。   隅に樹齢何百年とかいう噂の大木があり、太い根っこの一部にこぶし大の穴が開いていました。   その穴の向こうがどうなっているのか気になり、友達とのぞきこんだりしましたが、中はただ暗闇しか見えませんでした。   穴に向かって「あ~!」と […]

  • 2026年4月10日
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夜の訪問者

これは俺が高校生のときに経験した話だ。   俺の家は古い一軒家で、少し離れた場所にぽつんと建っていた。   周囲には田んぼや林が広がり、夜になると静寂に包まれるような場所だった。田舎の風景はのどかで、昼間はのんびりとした雰囲気が漂っていたが、夜になるとまるで別世界のように静まり返り、不気味さすら感じることがあった。   ある晩、家族が全員出かけていて、俺は一人で留守番をしていた。   特に怖がりな […]

  • 2026年4月8日
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木部村

私が仕事で地方を訪れた時の話です。   その取引先は山間の町にあり、そこに行くには1つ山を越えなければなりませんでした。   昼間はまだ明るいといっても山の中は木々が生い茂っている為、仄暗くうす気味悪さを感じていました。   仕事を無事終え、「さぁ、帰ろう!」という頃にはあたりは既に真っ暗。   私はこの暗闇の中、あの山の中を越えて車で帰らなければならないのかと思うとうんざりとしていました。   […]

  • 2026年4月3日
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同じ顔

毎朝、通勤途中の駅で見かけるサラリーマンがいた。   彼はスーツ姿で、年齢は三十代半ばくらい、髪は短く整えられ、眼鏡をかけている。   目立つ特徴はないが、毎日同じ時間、同じ場所に立っているため、自然と目に入るようになった。   何をしているのかといえば、彼は特に何もしていない。   ただ、電車を待つわけでもなく、改札を通るでもなく、ホームの端の方でスマホを見たり、ぼんやりと立っていたりするだけだ […]

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