怪文庫

怪文庫では都市伝説やオカルトをテーマにした様々な「体験談」を掲載致しております。聞いたことがない都市伝説、実話怪談、ヒトコワ話など、様々な怪談奇談を毎週更新致しております。すぐに読める短編、読みやすい長編が多数ございますのでお気軽にご覧ください。

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不思議な話

不思議な話に関する記事一覧ページです。

黒い呪い袋

これは、私がまだ地方の大学に通っていた頃、実家のある集落で実際にあった話だ。 あの一件以来、私は“神社に奉納されたものを触ってはいけない”という言葉を心から信じている。 私の地元は、山間部の小さな集落で、人口も100人を切るくらいの限界集落だった…

俺は夜勤の仕事をしていて、家に帰るのはいつも朝方になる。 その日も、夜通し働いて体はクタクタだった。 普段なら帰りの道もぼんやり歩いてしまうのだが、なぜかその日は街灯に照らされた歩道の影や、車の排気音が妙に気になった。 朝方の街はいつも静かだ…

北側九軒

東北の山あいに、小さな集落がある。戸数はわずか二十軒足らず。道を挟んで北に九軒、南に十軒。 ごく普通の農村だ。 だが、この村には長年、外にはあまり語られない噂があった。 北側の九軒では、必ず誰かが自ら命を絶つ――。 記録をたどれば、最初は三十年…

古い大きな鏡

我が家は古い。しかし、古民家のような古さではなく、鉄筋の老朽化した建物のため、どちらかといえば廃墟の学校のような冷たさを感じてしまう。 それは、過去に会社をしていた名残なのだが、母屋に増築されて、コの字型作られた建物に複雑な出入口があちらこ…

ゴキブリと小さいおじさん

私は小学生のとき、今でもはっきりと覚えているとても不思議で、少し気持ち悪くて、それでいてちょっとだけ嬉しいような体験をしました。 もしかしたら信じてもらえないかもしれないけど、これは私と母が本当に体験した“奇妙なできごと”です。 まず、「小さ…

ない部屋

これは、俺がまだ建築設計の仕事を始めて2年目くらいの、本当にあった話だ。まあ、信じるか信じないかは、読んでる人に任せる。 俺たちの仕事ってのは、キラキラした新築の設計だけじゃない。時には、築何十年っていう古い建物の改修とか増築に関わることも…

臨海実習

これは私が学生時代のことです。 もう20年ほど前、千葉のとある海沿いの街で、夏休みの実習がありました。 たった2日で単位がもらえるということで、学校からの距離のわりに参加人数は多かったです。 実習では、自分でウニを捕まえて生態を観察することにな…

クラスメイト

小学校のころ、ユウキという同級生がいた。 いわゆる知的障害者で、今でいう特別支援学級にいるような生徒だったんだが、俺の通ってた小学校にはそういう取り組みはなくて、俺たちと同じ普通学級に通っていた。 今思えば近くに特別支援学校があったから、障…

エレベーター

これはあるビルのエレベーターにまつわる話です。 そのビルは7階建てで、当時私はそのビルの4階で働いていました。仮にAビルとします。 Aビルは昭和の終わり頃に建てられた、やや古びた見た目でしたが、中は比較的しっかり管理されており、新しい消防法など…

子供が育たない家

これは、母方の実家にまつわる話です。 母から聞いたことと、自分が体験したことが入り混じっているので、少し断片的になるかもしれません。 母の実家は山奥の小さな村にあります。地図にやっと名前が残っている程度で、道は細く、街灯なんてほとんどありま…

招待状

僕がこの話を聞いたのは、大学のサークルの飲み会の席だった。 趣味であるテニスのサークルで、週に2、3度はテニス終わりに集まってはたわいもない話をつまみに盛り上がっていた。 この話を聞かせてくれたのは1学年上のK先輩で、普段はあまりオカルトを信…

画角の中の愁傷

心霊スポットにまつわる、友人の体験談です。友人のCは写真家をしていまして、全国飛び回っては色んな情景をカメラに収めていたんですよ。知らない土地を踏みしめて、自分の気に入った画角を見つけてシャッターを切る…この瞬間が堪らないのだと、Cは常々溢…

人が狂う寮

私は全くオカルト話を信じない人間でしたが、ある体験を機に信じるようになりました。 一通り経験した出来事を、ここに記そうと思います。 九州から東京へ上京し、とある会社に入職した私。その会社に決めた理由の一つに、「女子寮」の存在がありました。 都…

昔の弟

私には弟が一人います。四つ下の弟で、姉弟仲はまあそこそこ。 二人とも実家には住んでますが、弟はもう大学生ですから、同じ小学校に通っていた時みたいに一緒に遊ぶことはなくなりました。 家族で食事をする時には普通に楽しく会話をするし、お互いの誕生…

夜を彷徨う足音

私が大学二年の春、住んでいたのは地方都市の古いアパートだった。 二階建ての木造で、壁も床も驚くほど薄く、隣のくしゃみまで聞こえるような場所だ。 月三万円という破格の家賃に惹かれ、迷わず契約したが、後になって「安いには理由がある」と痛感するこ…

手紙

俺がこのアパートに引っ越してきたのは、今年の春頃のことだった。 築40年くらいの木造アパートで、駅からも歩けるし、一人暮らしするにはちょうどいい広さ。 和室で水回りなんかも古かったが、職場まで電車で10分ちょっとの駅にあったし何より家賃が安かっ…

不思議な知らせ

これはもう二十数年前の話で、私が中学生の頃のお話です。 私はクリスマスが発売日だった、とあるCDを予約しました。そのCDは4枚組で、限定品でした。 当時中学生だった私からすると、とても高価なものでした。 親からのお小遣いも決して多くはありませんで…

天井にいたもの

私が幼稚園に通っていた頃のことです。 当時の私はかなり内気な子供で、友達とわいわい遊ぶというよりは一人で空想にふけるのが好きな子どもでした。 だからなのか、自由時間もそとで遊ばず一人でクラスの部屋にいてお絵描きしたり絵本を読んだりしているこ…

満月の夜

子供の頃、私と妹2人は両親に連れられて、車で20分ほどの距離に住む母方の祖母によく会いにいっていました。 私と妹たちを祖母に預けることもあれば、祖母に何かを届けたり、ただ孫娘を会わせるためだったり。父方の祖父母と同居していたこともあり、一人で…

深夜の常連客

大学生の頃、生活費を稼ぐために深夜のコンビニでバイトしていた。 当時は一人暮らしで、昼間は大学、夜は0時から朝5時までバイト、という生活リズム。 正直、体力的にはかなりしんどかったけど、時給がよかったから仕方なく続けていた。 バイトが終わった後…

入鹿池

私が愛知県にある犬山のイルカ池について話すのは、これが初めてだ。 別に誰かに信じてもらおうとは思っていない。ただ、ここ最近になってまた夢にあの池が出てくるようになったから、忘れる前に書いておこうと思った。 犬山には、観光地として有名な犬山城…

霧の向こう

夏になりかけのある日のことです。 お昼に大型スーパーで買い物を終えて、私は自分の車に乗り込みました。 スーパーを出たときから気になっていたのですが、霧がでています。外に出たとたん私は首を傾げた記憶がありました。 霧だなんてそうそうある地域じゃ…

夏の日に消えた家

小学三年生の夏休み、僕は近所の川沿いにある水辺公園で遊んでいた。 蝉の鳴き声が耳をつんざくように響き、その声はまるで溶けかけた熱気をさらに増幅させるかのようだった。日差しは強く、肌にジリジリと焼き付くような感覚があった。アスファルトの地面か…

窓に貼られた紙

これは、俺が大学1年のときに住んでたアパートで起きた話です。 いまだにあれがなんだったのか説明できないし、思い出すとゾワっとするから、ずっと誰にも話さずにいた。でも、ここに書くことで少し気が楽になるかもしれないと思って書いてます。 当時、大学…

顔のない女

私は昔から、「気にしすぎ」と言われるタイプでした。 人のちょっとした言い回しや、沈黙の意味・空気の変化なんかがどうしても気になってしまって、無意識に考えすぎてしまうんです。 自分でも疲れることがあるくらいで、周囲からも「気にしなくていいのに…

同じ客

これは俺が大学生の時、深夜のコンビニでバイトしてた頃の話だ。 そのコンビニは県道沿いにあって、夜中は本当に客が少ない。トラックの運ちゃんが缶コーヒーを買いに来るくらいで、午前2時過ぎなんて1時間に1人来るかどうかって感じだった。 問題の夜は11月…

地図に載っていない町

都市伝説や怪奇現象というものは、山奥の村や過疎地の旧道のような、いわゆる“人がいない場所”で起きるというイメージがある。 僕自身、そう思っていた。少なくとも、東京の中心部のような場所で、そういうことが起こるなんて想像もしなかった。 だが実際に…

古民家カフェ

私が友人と隣県へ旅行に行った時のことです。 その頃の私は仕事があまりうまく行かず、パワハラの加害者になっているような状況でした。もちろん私は身に覚えがなく、行き違いによる誤解が原因でしたが結局は周りからは「そういう人」というレッテルが張られ…

初めての心霊体験

私は中学生の頃から不思議なものを見る事が多くなった。 見えるものはいつも視界の端で、黒シルエットのものが大半を占めている。 時折、現実の人間と遜色のない状態で見る事もある。しかし、私はこの事を特定の友人以外に言うことは無かった。 当時、私は視…

古いビルのエレベーター

私がこの出来事を経験したのは、もう数年前のことになります。 当時、私はアルバイトで深夜のオフィスビルの清掃業務を請け負っていました。 都内にあるかなり年季の入ったビルでした。昼間はそれなりに人の出入りがあるのですが、夜中になると人気が全くな…