小学校から「危険な場所マップ」なるものが配布された。
身近で危ないと思われている場所が説明されている。
AとCはそんな場所全部知っていたが、一箇所聞いたこともない場所があった。
井戸の絵が書いてある。
当然、悪友二人は肝試しがてら行くことになったらしい。
夜八時にお互い家を抜け出す。
その井戸は畑の奥の雑木林にあった。
二人は懐中電灯で照らしてみる。
大きくはない。1メートルくらいか。
二人は肝心の井戸の中を覗いて見る事にした。
すると、井戸の中は手前まで土が堆積しており、二人は拍子抜けした。
もう帰ろうとした時だった。
「あついよ あついあつい」
声が聞こえる方にライトを向ける。
無数の焼け焦げた腕が井戸から出ようとしていた。
煙が出て、どれも皮膚が垂れ下がっている。
同時に肉が焼けた匂いを二人は嗅いだという。
二人は全力で逃げ出した。
その後、私と他の友人達にあの夜の出来事を話したが、そんな場所は地図に載っていなかった。
そんなバカな、と二人は地図を見た。
ない。どこにも井戸の絵がない。
その後、皆を引き連れてだいたいの場所に行ったが、見つけられなかった。
結局、先生達に叱られただけだっだ。
詳しく二人があの井戸周辺を調べたところ、付近に防空壕があったらしい。
詳しくはわからないが、あの井戸は出入り口だったのではないか、と語ってくれた。
ただ、「なぜ俺達だったんだろう」そう最後に呟いた。
二人ともあれ以来肉が食べれなくなったらしい。
著者/著作:ぽっくりあたし(Twitter)