怪文庫

怪文庫では都市伝説やオカルトをテーマにした様々な「体験談」を掲載致しております。聞いたことがない都市伝説、実話怪談、ヒトコワ話など、様々な怪談奇談を毎週更新致しております。すぐに読める短編、読みやすい長編が多数ございますのでお気軽にご覧ください。

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地図にあった井戸

小学校から「危険な場所マップ」なるものが配布された。

 

身近で危ないと思われている場所が説明されている。


AとCはそんな場所全部知っていたが、一箇所聞いたこともない場所があった。


井戸の絵が書いてある。

 

当然、悪友二人は肝試しがてら行くことになったらしい。


夜八時にお互い家を抜け出す。


その井戸は畑の奥の雑木林にあった。

 

二人は懐中電灯で照らしてみる。


大きくはない。1メートルくらいか。

 

二人は肝心の井戸の中を覗いて見る事にした。

 

すると、井戸の中は手前まで土が堆積しており、二人は拍子抜けした。

 

もう帰ろうとした時だった。

 

「あついよ あついあつい」

 

声が聞こえる方にライトを向ける。

 

無数の焼け焦げた腕が井戸から出ようとしていた。

 

煙が出て、どれも皮膚が垂れ下がっている。

 

同時に肉が焼けた匂いを二人は嗅いだという。

 

二人は全力で逃げ出した。

 

 

その後、私と他の友人達にあの夜の出来事を話したが、そんな場所は地図に載っていなかった。


そんなバカな、と二人は地図を見た。

 

ない。どこにも井戸の絵がない。

 

その後、皆を引き連れてだいたいの場所に行ったが、見つけられなかった。

 

結局、先生達に叱られただけだっだ。

 

詳しく二人があの井戸周辺を調べたところ、付近に防空壕があったらしい。

 

詳しくはわからないが、あの井戸は出入り口だったのではないか、と語ってくれた。

 

ただ、「なぜ俺達だったんだろう」そう最後に呟いた。

 

二人ともあれ以来肉が食べれなくなったらしい。

 

著者/著作:ぽっくりあたし(Twitter