怪文庫

怪文庫では、多数の怖い話や不思議な話を掲載致しております。また怪文庫では随時「怖い話」を募集致しております。洒落にならない怖い話や呪いや呪物に関する話など、背筋が凍るような物語をほぼ毎日更新致しております。すぐに読める短編、読みやすい長編が多数ございますのでお気軽にご覧ください。

怪文庫

メール

高校生の時、自身が体験したお話です。


昔から怖い話や超常現象などのホラー系が好きで当時共通の友達と心霊研究同好会ならぬお遊び程度の部活動をしていました。


表向きはボランティア部だったので、グラウンドなどの草むしりや地域のゴミ拾いをして暇な時間にみんなでホラー映画を鑑賞したりして楽しんでいました。


そんな中、いつもの様に放課後集まって映画鑑賞をしていた最中友人のMちゃんが

 

「実際に心霊スポットにいってみようよ」


と言い出し、私たちも子供だったこともあり好奇心から、一つ返事で行くことが決まりました。


ただ高校生ということもあり免許なんか誰も持っていなかった為、公共の交通手段を使う他ありませんでした。


しかし当時住んでいた所が結構な田舎で電車は1時間一本が当たり前、バスなんか通らない日すらありました。


私たちはお互いに思考を凝らした結果、早い時間に電車で行って夕方に帰ろうということになり、子供だけでの心霊スポット探索を決行することとなりました。


当日、Mちゃんと他2人と合流し私たち一行は、H県にある旧Iトンネル(名前は伏せます)に向かいました。


途中電車ではいけなくてバスをつかって徒歩で向かいました。


無事現地につきトンネル前にして、Uちゃんが


「吐きそう。。気持ち悪い。。」


なんて体調を悪そうにしたのでせっかく着いたのに嘘だろ〜なんて言いながら1人はUちゃんと残ることにしました。


一方わたしとMちゃんは構わずトンネル内を散策して周る事にしました。

 

雰囲気に若干ビビりながらも「なにもないじゃん!」「実際の心スポなんてこんなもんか〜」とか、グダグダ言いながら折り返して写真なんかを撮って楽しんでいました。


あらかた飽きてきた頃にUちゃんを思い出した私たちは待たせている事に焦って走って帰路に向かいました。


しかし、トンネルを出た先にUちゃんともう1人の友達の姿はなく

 

「先に降りたんじゃない?」

 

とMちゃんの一言に納得しつつトンネルを後にしました。

 

トンネルの前の峠道を後にして歩いていると一通のメールが届いたことに気がつきました。


---ごめん、今日体調悪くて行けそうにない。また今度にしない?---
       

メールはMちゃんからでした。

 

わたしは冗談で送っているのか?目の前にいるのに?と思い、気にしないでメールを閉じ下に降り、待っていた友達と帰宅しました。

 

何事もなく休みも明け、放課後また4人で集まり映画鑑賞をしていた日にわたしはこの間の心霊スポットの話題を話したくてうずうずしてたのですが誰も話さず、そんなに面白くなかったのかな?と1人しょぼくれていました。


結局いつもの様に映画を見て帰ろうとすると、帰り際にMちゃんが


「こないだごめんね。約束破っちゃって」と突然変な事を言うもんで、わたしはどうしたの?と返すと


「心霊スポット!皆行かなかったんだってね?」

 

わたしは言っている意味が理解できず、からかっているのかと思い、あの場に全員いた事、Mちゃんがいた事、写真を撮った事をかと細かく話ました。


しかし当の本人のMちゃんは何のことか一切わかっていないようでした。

 

挙げ句の果てにメールを送った。なんて言うもんだからわたしもそんなメール来てないよ。と言い返そうとした矢先、ふと、あの日帰り道に届いたメールを思い出しました。


結局お互いあまり納得はしない状態で別れ、わたしもメールを確認しようと開いた所、やはりメールは残っており、本当だったのではないだろうか?と疑心暗鬼になってしまいました。

 

しかしながらMちゃんの''みんな"という言葉に引っかかり、夜メールであの場にいたメンバー全員に一斉メールであの日なにしてた?と心霊スポットのことを伏せて送ってみました。


ところが全員その日は約束がなくなったので遊びに行った、など体調が悪かったなどのメールが帰ってくるばかりでわたしは絶対に皆からかっているだけだと思いました。


そこでわたしはMちゃんとトンネル内で撮った写真をケータイで見返しました。


するとそこには誰も写っておらず、そもそもわたし1人しかいませんでした。

 

当時のわたしは一体誰と心霊スポットに行ったんでしょうか。。。。


Mちゃん1人ならまだしも、わたし以外全員いないなんて事があるんですかね?


いまだに理解ができなくて不思議な体験でした。

著者/著作:p子