怪文庫

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見える眼鏡

私の友人から聞いた噂話です。

 

とある大学に通う男子学生がいました。


男子学生はおしゃれが大好きですが、お金がないのでいつもリサイクルショップで洋服などを購入していました。

 

そこでたまたま入った古いリサイクルショップに入ると、おしゃれなダテ眼鏡を発見しました。


30円と激安で、為しにかけてみると妙にしっくりきました。


男子学生はすぐにそのダテ眼鏡を購入しました。

 

以来気にいっていつもかけていて、友人にも似合うと褒められていたので、とてもいい買い物をしたと思っていました。


ある日、友人数人で男子学生の暮らす一人暮らしのアパートで飲み会をすることになりました。

 

飲み会ということで少しおしゃれをしていつもは家ではかけないダテ眼鏡をかけ、友人達を迎え入れました。


飲み会が始まってしばらく楽しくふざけあっていたのですが、深夜の2時になると部屋に突然知らない老夫婦が現れました。

 

その老夫婦は辛い表情で男子学生を見詰めています。


男子学生は驚いてその老夫婦に向かって「何をしているんだ!」と叫びます。


友人たちは突然叫んだ男子学生をなだめます。

 

どうやらその老夫婦は男子学生にしか見えていないようです。


男子学生は必死に老夫婦の存在を言うのだが、友人たちは酔っぱらっているのだと相手にしませんでした。

 

男子学生が目をこすり、眼鏡をはずすとその老夫婦はみえなくなりました。


そして納得いかないまま、男子学生はそのままお酒を飲み寝ました。

 

翌日、男子学生が頭痛がする中起きると、友人たちは既に帰っていました。


男子学生は昨日の事を思い出し、恐る恐る眼鏡をかけてみました。

 

すると何も見えませんでした。


男子学生は「なんだ夢か何かだったのか」と、ホッとし学校へ向かいます。

 

男性学生は学校が終わった後にアルバイトへ行きました。


その日は1人休みが出てしまい、1人で仕事をしていると時間がかかってしまい、帰りが大分遅くなってしました。

 

深夜、帰宅中「遅くなちゃった」と言いながら時計を見ると、深夜2時になるところでした。


そして部屋に入ると、なんとまたあの老夫婦が現れたのです。

 

男子学生は驚き、腰を抜かしました。

 

 

この眼鏡をかけて深夜2時になるとこの老夫婦が見えるのではないかと、確信しました。

 

老夫婦を観察していると、どうやらおじいさんがおばあさんを介護しているようです。


しばらく見ていると、消えてしまいました。


男子学生は布団にくるまったまま寝てしまいました。

 

翌日、男子学生はまた深夜の2時に眼鏡をかけます。


するとまた老夫婦が見えました。

 

また恐る恐る観察をしていると、おじいさんが思い立ったようにおばあさんの首を絞め始めました。


おばあさんは「悪かったねぇ」といいます。

 

男子学生は驚き、止めに入りますが、触れることはできませんでした。


そしておじいさんがおばあさんを殺してしまった。

 

どうやら介護に疲れたおじいさんがおばあさんに手をかけたようです。


そこで消えてしまいました。

 

男子学生は何かの怨念があるに違いないと、不動産屋に聞きに行きました。


すると、男子学生の住む2つ前に老夫婦が住んでおり、おばあさんが亡くなりおじいさんもその後すぐ亡くなったらしいとのことだった。

 

男子学生はその日、深夜の2時になると眼鏡をかけた。


するとまたおじいさんがおばあさんを介護している。

 

男子学生は成仏できるようにと花を手向け精一杯、祈り、念を送った。


祈りが通じたようでその老夫婦は笑顔で消えていった。

 

男子学生はそれから深夜に2時になっても老夫婦が現れなくなったことで成仏を確認したのだった。

 

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