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姦姦蛇螺②

 

姦姦蛇螺①はコチラからどうぞ。

 

 

全力で走れば三十分もかからないだろうに、何時間も走ったような気分だった。

 

入り口が見えてくると、何やら人影も見えた。

 

おい、まさか…三人とも急停止し、息を呑んで人影を確認した。

 

誰だかわからないが、何人かが集まってる。

 

あいつじゃない。そう確認できた途端に再び走りだし、その人達の中に飛び込んだ。

 

「おい!出てきたぞ!」

 

「まさか…本当にあの柵の先に行ってたのか!?」

 

「おーい!急いで奥さんに知らせろ!」

 

集まっていた人達はざわざわとした様子で、オレ達に駆け寄ってきた。

 

何て話しかけられたかすぐにはわからないぐらい、三人とも頭が真っ白で放心状態だった。

 

そのままオレ達は車に乗せられ、すでに三時をまわっていたにも関わらず、行事の時とかに使われる集会所に連れてかれた。

 

中に入ると、うちは母親と姉貴が、Aは親父、Bはお母さんが来ていた。

 

Bのお母さんはともかく、ろくに会話した事すらなかったうちの母親まで泣いてて、Aもこの時の親父の表情は、普段見た事ないようなもんだったらしい。

 

B母「みんな無事だったんだね…!よかった…!」

 

Bのお母さんとは違い、オレは母親に殴られAも親父に殴られた。

 

だが、今まで聞いた事ない暖かい言葉をかけられた。

 

しばらくそれぞれが家族と接したところで、Bのお母さんが話した。

 

B母「ごめんなさい。今回の事はうちの主人、ひいては私の責任です。

 

本当に申し訳ありませんでした…!本当に…」と、何度も頭を下げた。

 

よその家とはいえ、子供の前で親がそんな姿をさらしているのは、やっぱり嫌な気分だった。

 

A父「もういいだろう奥さん。こうしてみんな無事だったんだから」

 

オレ母「そうよ。あなたのせいじゃない」

 

この後、ほとんど親同士で話が進められ、オレ達はぽかんとしてた。

 

時間が遅かったのもあって、無事を確認しあって終わり…って感じだった。この時は何の説明もないまま解散したわ。

 

一夜明けた次の日の昼頃、オレは姉貴に叩き起こされた。

 

目を覚ますと、昨夜の続きかというぐらい姉貴の表情が強ばっていた。

 

オレ「なんだよ?」

 

姉貴「Bのお母さんから電話。やばい事になってるよ」

 

受話器を受け取り電話に出ると、凄い剣幕で叫んできた。

 

B母『Bが…Bがおかしいのよ!昨夜あそこで何したの!?柵の先へ行っただけじゃなかったの!?』

 

とても会話になるような雰囲気じゃなく、いったん電話を切ってオレはBの家へ向かった。

 

同じ電話を受けたらしくAも来ていて、二人でBのお母さんに話を聞いた。

 

話によると、Bは昨夜家に帰ってから、急に両手両足が痛いと叫びだした。

 

痛くて動かせないという事なのか、両手両足をぴんと伸ばした状態で倒れ、その体勢で痛い痛いとのたうちまわったらしい。

 

お母さんが何とか対応しようとするも、「いてぇよぉ」と叫ぶばかりで意味がわからない。

 

必死で部屋までは運べたが、ずっとそれが続いてるので、オレ達はどうなのかと思い電話してきたという事だった。

 

話を聞いてすぐBの部屋へ向かうと、階段からでも叫んでいるのが聞こえた。

 

「いてぇいてぇよぉ!」と繰り返している。

 

部屋に入ると、やはり手足はぴんと伸びたまま、のたうちまわっていた。

 

オレ「おい!どうした!」

 

A「しっかりしろ!どうしたんだよ!」

 

オレ達が呼び掛けても、「いてぇよぉ」と叫ぶだけで目線すら合わせない。

 

どうなってんだ…オレとAは何が何だかさっぱりわからなかった。

 

一度お母さんのとこに戻ると、さっきとはうってかわって静かな口調で聞かれた。

 

B母「あそこで何をしたのか話してちょうだい。それで全部わかるの。昨夜あそこで何をしたの?」

 

何を聞きたがっているのかは、もちろんわかってたが、答えるためにあれをまた思い出さなきゃいけないのが苦痛となり、うまく伝えられなかった。

 

というか、あれを見たっていうのが大部分を占めてしまってたせいで、何が原因かってのが、すっかり置いてきぼりになってしまっていた。

 

「何を見たかでなく何をしたか」と尋ねるBのお母さんは、それを指摘しているようだった。

 

Bのお母さんに言われ、オレ達は何とか昨夜の事を思い出し、原因を探った。

 

何を見たか?なら、オレ達も今のBと同じ目にあってるはず。

 

だが何をしたか?でも、あれに対してほとんど同じ行動だったはずだ。

 

箱だってオレ達も触ったし、ペットボトルみたいなのも一応オレ達も触わってる。

 

後は…楊枝…

 

二人とも気付いた。楊枝だ。あれにはBしか触ってないし、形もずらしちゃってる。しかも元に戻してない。

 

オレ達はそれをBのお母さんに伝えた。

 

すると、みるみる表情が変わり震えだした。

 

そしてすぐさま棚の引き出しから何かの紙を取出し、それを見ながらどこかに電話をかけた。

 

オレとAは様子を見守るしかなかった。

 

しばらくどこかと電話で話した後、戻ってきたBのお母さんは震える声でオレ達に言った。

 

B母「あちらに伺う形ならすぐにお会いしてくださるそうだから、今すぐ帰って用意しておいてちょうだい。あなた達のご両親には私から話しておくわ。何も言わなくても準備してくれると思うから。明後日またうちに来てちょうだい」

 

意味不明だった。誰に会いにどこへ行くって?説明を求めてもはぐらかされ、すぐに帰らされた。

 

一応二人とも真っすぐ家に帰ってみると、何を聞かれるでもなく、「必ず行ってきなさい」とだけ言われた。

 

意味がまったくわからんまま、二日後にオレとAは、Bのお母さんと三人である場所へ向かった。

 

Bは、前日にすでに連れていかれたらしい。

 

ちょっと遠いのかな…ぐらいだと思ってたが、町どころか県さえ違う。

 

新幹線で数時間かけて、さらに駅から車で数時間。絵に書いたような深い山奥の村まで連れてかれた。

 

その村のまたさらに外れの方、ある屋敷にオレ達は案内された。

 

でかくて古いお屋敷で、離れや蔵なんかもあるすごい立派なもんだった。

 

Bのお母さんが呼び鈴を鳴らすと、おっさんと女の子がオレ達を出迎えた。

 

おっさんの方は、その筋みたいなガラ悪い感じでスーツ姿。

 

女の子は、オレ達より少し年上ぐらいで、白装束に赤い袴。いわゆる巫女さんの姿だった。

 

挨拶では、どうやら巫女さんの伯父らしいおっさんは、普通によくある名字を名乗ったんだが、巫女さんは『あおいかんじょ?(オレはこう聞こえた)』とかいう、よくわからない名を名乗ってた。

 

名乗ると言っても、一般的な認識とは全く違うものらしい。

 

よくわからんがようするに、彼女の家の素性は一切知る事が出来ないって事みたい。

 

実際オレ達は、その家や彼女達について何も知らないけど、とりあえずここでは見やすいように『葵』って書くわ。

 

だだっ広い座敷に案内され、わけもわからんまま、ものものしい雰囲気で話が始まった。

 

伯父「息子さんは今安静にさせてますわ。この子らが一緒にいた子ですか?」

 

B母「はい。この三人であの場所へ行ったようなんです」

 

伯父「そうですか。君ら、わしらに話してもらえるか?どこに行った、何をした、何を見た、出来るだけ詳しくな」

 

突然話を振られて戸惑ったが、オレとAは何とか詳しくその夜の出来事をおっさん達に話した。

 

ところが、楊枝のくだりで「コラ、今何つった?」と、いきなりドスの効いた声で言われ、オレ達はますます状況が飲み込めず混乱してしまった。

 

A「は、はい?」

 

伯父「おめぇら、まさかあれを動かしたんじゃねえだろうな!?」

 

身を乗り出し、今にも掴み掛かってきそうな勢いで怒鳴られた。

 

すると葵がそれを制止し、蚊の泣くようなか細い声で話しだした。

 

葵「箱の中央…小さな棒のようなものが、ある形を表すように置かれていたはずです。それに触れましたか?触れた事によって、少しでも形を変えてしまいましたか?」

 

オレ「はぁあの、動かしてしまいました。形もずれちゃってたと思います」

 

葵「形を変えてしまったのはどなたか、覚えてらっしゃいますか?触ったかどうかではありません。形を変えたかどうかです」

 

オレとAは顔を見合わせ、Bだと告げた。

 

すると、おっさんは身を引いてため息をつき、Bのお母さんに言った。

 

伯父「お母さん、残念ですがね、息子さんはもうどうにもならんでしょう。わしは詳しく聞いてなかったが、あの症状なら他の原因も考えられる。まさかあれを動かしてたとは思わなかったんでね」

 

B母「そんな…」

 

それ以上の言葉もあったんだろうが、Bのお母さんは言葉を飲み込んだような感じで、しばらく俯いてた。

 

口には出せなかったが、オレ達も同じ気持ちだった。

 

Bはもうどうにもならんってどういう意味だ?一体何の話をしてんだ?そう問いたくても、声に出来なかった。

 

オレ達三人の様子を見て、おっさんはため息混じりに話しだした。

 

ここでようやく、オレ達が見たものに関する話がされた。

 

俗称は『生離蛇螺』/『生離唾螺』

古くは『姦姦蛇螺』/『姦姦唾螺』

 

なりじゃら、なりだら、かんかんじゃら、かんかんだらなど、知っている人の年代や家柄によって、呼び方はいろいろあるらしい。

 

現在では、一番多い呼び方は単に『だら』。

 

おっさん達みたいな特殊な家柄では、『かんかんだら』の呼び方が使われるらしい。

 

もはや神話や伝説に近い話。

 

人を食らう大蛇に悩まされていたある村の村人達は、神の子として様々な力を代々受け継いでいた、ある巫女の家に退治を依頼した。

 

 

依頼を受けたその家は、特に力の強かった一人の巫女を大蛇討伐に向かわせる。

 

村人達が陰から見守る中、巫女は大蛇を退治すべく懸命に立ち向かった。

 

しかし、わずかな隙をつかれ、大蛇に下半身を食われてしまった。

 

それでも巫女は村人達を守ろうと様々な術を使い、必死で立ち向かった。

 

ところが、下半身を失っては勝ち目がないと決め込んだ村人達はあろう事か、巫女を生け贄にする代わりに村の安全を保障してほしいと、大蛇に持ちかけた。

 

強い力を持つ巫女を疎ましく思っていた大蛇はそれを承諾。

 

食べやすいようにと村人達に腕を切り落とさせ、達磨状態の巫女を食らった。

 

そうして、村人達は一時の平穏を得た。

 

後になって、巫女の家の者が思案した計画だった事が明かされる。

 

この時の巫女の家族は六人。

 

異変はすぐに起きた。

 

大蛇がある日から姿を見せなくなり、襲うものがいなくなったはずの村で、次々と人が死んでいった。

 

村の中で、山の中で、森の中で。死んだ者達はみな、右腕・左腕のどちらかが無くなっていた。

 

十八人が死亡。(巫女の家族六人を含む)生き残ったのは四人だった。

 

おっさんと葵が交互に説明した。

 

伯父「これがいつからどこで伝わってたのかはわからんが、あの箱は一定の周期で場所を移して供養されてきた。その時々によって管理者は違う。箱に家紋みたいのがあったろ?ありゃ今まで供養の場所を提供してきた家々だ。うちみたいな家柄のもんでそれを審査する集まりがあってな、そこで決められてる。まれに自ら志願してくるバカもいるがな。

 

管理者以外にゃかんかんだらに関する話は一切知らされない。付近の住民には、いわくがあるって事と、万が一の時の相談先だけが管理者から伝えられる。伝える際には相談役、つまりわしらみたいな家柄のもんが立ち合うから、それだけでいわくの意味を理解するわけだ。今の相談役はうちじゃねえが、至急って事で、昨日うちに連絡がまわってきた」

 

どうやら、一昨日Bのお母さんが電話していたのは別のとこらしく、話を聞いた先方は、Bを連れてこの家を尋ね、話し合った結果、こっちに任せたらしい。

 

Bのお母さんは、オレ達があそこに行っていた間にすでにそこに電話してて、ある程度詳細を聞かされていたようだ。

 

葵「基本的に、山もしくは森に移されます。御覧になられたと思いますが、六本の木と六本の縄は村人達を、六本の棒は巫女の家族を、四隅に置かれた壺は、生き残られた四人を表しています。そして、六本の棒が成している形こそが、巫女を表しているのです。

 

なぜこのような形式がとられるようになったか。箱自体に関しましても、いつからあのようなものだったか。私の家を含め、今現在では伝わっている以上の詳細を知る者はいないでしょう」

 

ただ、最も語られてる説としては、生き残った四人が、巫女の家で怨念を鎮めるためのありとあらゆる事柄を調べ、その結果生まれた独自の形式ではないか…という事らしい。

 

柵に関しては、鈴だけが形式に従ったもので、綱とかはこの時の管理者によるものだったらしい。

 

伯父「うちの者で、かんかんだらを祓ったのは過去に何人かいるがな、その全員が二、三年以内に死んでんだ。ある日突然な。事を起こした当事者も、ほとんど助かってない。それだけ難しいんだよ」

 

ここまで話を聞いても、オレ達三人は完全に置いてかれてた。きょとんとするしかなかったわ。

 

だが、事態はまた一変した。

 

伯父「お母さん、どれだけやばいものかは何となくわかったでしょう。さっきも言いましたが、棒を動かしてさえいなければ何とかなりました。しかし、今回はだめでしょうな」

 

B母「お願いします。何とかしてやれないでしょうか。私の責任なんです。どうかお願いします」

 

Bのお母さんは引かなかった。

 

一片たりともお母さんのせいだとは思えないのに、自分の責任にしてまで頭を下げ、必死で頼み続けてた。

 

でも泣きながらとかじゃなくて、何か覚悟したような表情だった。

 

伯父「何とかしてやりたいのはわしらも同じです。しかし、棒を動かしたうえであれを見ちまったんなら……お前らも見たんだろう。お前らが見たのが大蛇に食われたっつう巫女だ。下半身も見たろ?それであの形の意味がわかっただろ?」

 

「…えっ?」

 

オレとAは言葉の意味がわからなかった。下半身?オレ達が見たのは上半身だけのはずだ。

 

A「あの、下半身っていうのは…?上半身なら見ましたけど…」

 

それを聞いておっさんと葵が驚いた。

 

伯父「おいおい何言ってんだ?お前らあの棒を動かしたんだろ?だったら下半身を見てるはずだ」

 

葵「あなた方の前に現われた彼女は、下半身がなかったのですか?では、腕は何本でしたか?」

 

「腕は六本でした。左右三本ずつです。でも、下半身はありませんでした」オレとAは、互いに確認しながらそう答えた。

 

すると急におっさんがまた身を乗り出し、オレ達に詰め寄ってきた。

 

伯父「間違いねえのか?ほんとに下半身を見てねえんだな?」

 

オレ「は、はい…」

 

おっさんは再びBのお母さんに顔を向け、ニコッとして言った。

 

伯父「お母さん、何とかなるかもしれん」

 

おっさんの言葉に、Bのお母さんもオレ達も、息を呑んで注目した。

 

二人は言葉の意味を説明してくれた。

 

葵「巫女の怨念を浴びてしまう行動は、二つあります。やってはならないのは、巫女を表すあの形を変えてしまう事。見てはならないのは、その形が表している巫女の姿です」

 

伯父「実際には、棒を動かした時点で終わりだ。必然的に巫女の姿を見ちまう事になるからな。だが、どういうわけかお前らは、それを見てない。動かした本人以外も同じ姿で見えるはずだから、お前らが見てないならあの子も見てないだろう」

 

オレ「見てない、っていうのはどういう意味なんですか?オレ達が見たのは…」

 

葵「巫女本人である事には変わりありません。ですが、かんかんだらではないのです。あなた方の命を奪う意志がなかったのでしょうね。かんかんだらではなく、巫女として現われた。その夜の事は、彼女にとってはお遊戯だったのでしょう」

 

巫女とかんかんだらは同一の存在であり、別々の存在でもある…?という事らしい。

 

伯父「かんかんだらが出てきてないなら、今あの子を襲ってるのは、葵が言うようにお遊び程度のもんだろうな。わしらに任せてもらえれば、長期間にはなるが何とかしてやれるだろう」

 

緊迫していた空気が初めて和らいだ気がした。

 

Bが助かるとわかっただけで充分だったし、この時のBのお母さんの表情は本当に凄かった。

 

この何日かでどれだけBを心配していたか、その不安とかが一気にほぐれたような、そういう笑顔だった。

 

それを見ておっさんと葵も雰囲気が和らぎ、急に普通の人みたいになった。

 

伯父「あの子は正式にわしらで引き受けますわ。お母さんには後で説明させてもらいます。お前ら二人は、一応葵に祓ってもらってから帰れ。今後は怖いもの知らずもほどほどにしとけよ」

 

この後Bに関して少し話したのち、お母さんは残り、オレ達はお祓いしてもらってから帰った。

 

この家の決まりだそうで、Bには会わせてもらえず、どんな事をしたのかもわからなかった。

 

転校扱いだったのか在籍してたのかは知らんが、これ以来一度も見てない。

 

まぁ死んだとか言うことはなく、すっかり更正して今はちゃんとどこかで生活してるそうだ。

 

ちなみにBの親父は、一連の騒動に一度たりとも顔を出してこなかった。どういうつもりか知らんが。

 

オレとAも、わりとすぐ落ち着いた。

 

理由はいろいろあったが、一番大きかったのは、やっぱりBのお母さんの姿だった。

 

ちょっとした後日談もあって、たぶん一番大変だったはずだ。

 

母親ってのがどんなもんか、考えさせられた気がした。

 

それにこれ以来うちもAんとこも、親の方から少しづつ接してくれるようになった。

 

そういうのもあって、自然とバカはやらなくなったな。

 

一応他にわかった事としては、特定の日に集まってた巫女さんは、相談役になった家の人。

 

かんかんだらは、危険だと重々認識されていながら、ある種の神に似た存在にされてる。

 

大蛇が山だか森だかの神だったらしい。それで年に一回、神楽を舞ったり祝詞を奏上したりするんだと。

 

あと、オレ達が森に入ってから音が聞こえてたのは、かんかんだらは柵の中で放し飼いみたいになってるかららしい。

 

でも六角形と箱のあれが封印みたいになってるらしく、棒の形や六角形を崩したりしなければ、姿を見せる事はほとんどないそうだ。

 

供養場所は、何らかの法則によって、山や森の中の限定された一部分が指定されるらしく、入念に細かい数字まで出して範囲を決めるらしい。

 

基本的にその区域からは出られないらしいが、柵などで囲んでる場合は、オレ達が見たみたいに外側に張りついてくる事もある。

 

わかったのはこれぐらい。

 

オレ達の住んでるとこからはもう移されたっぽい。

 

二度と行きたくないから確かめてないけど、一年近く経ってから柵の撤去が始まったから、たぶん今は別の場所にいるんだろな。

 

著者/著作:旧2ch掲示板(出典)