ある町には、夜になると現れるという不思議な現象があった。
それは、赤いマントを羽織った「赤マントさん」という怪人が出現するというものだった。
赤マントさんは、夜道を歩く人々を追いかけ、その背後に現れると言われていた。
見た目は人間と変わらないが、顔は見えず、そのマントは地面を這っているように見えるという。
最初は噂だったが、次第に目撃談が広がり、人々は恐怖を感じるようになっていた。
そんなある日、赤マントさんに遭遇したという人が町の警察署に駆け込んできた。
その人は、夜道を歩いていたところ、後ろから何かが追いかけてくる音が聞こえたと言う。
振り返ると、目の前に赤いマントを着た人物がいた。
その姿に恐怖を感じ、走り出したが、何度も追いかけられ、最後には転んでしまったという。
その後も、同じような証言が相次ぎ、町は大騒ぎになった。
警察は捜査に乗り出し、現場付近の防犯カメラを調べた結果、赤マントさんの姿が確認できた。
しかし、その映像はとても不気味で、赤マントさんが現れる瞬間に映像が乱れるという不可解な現象が起きていた。
それでも警察は、赤マントさんを追いかけ、捕まえようと奮闘したが、なかなか手がかりをつかむことができなかった。
そして、ある日、赤マントさんが突然現れなくなった。
それ以来、赤マントさんの目撃談は聞かれなくなり、次第に人々の記憶から消えていった。
しかし、あるとき、ある人が赤マントさんに遭遇したと証言した。
その人は、赤マントさんから「お前は違う」と言われたという。
その意味を解明するため、警察は赤マントさんの正体を探るために奮闘するが、未だにその謎は解き明かされていない。
そして、ある日、警察は町の古い書庫で、ある書物を見つけた。
それは、「赤マントさん」という存在が、古くからこの町に伝わる呪いであることが記されていた。
その呪いは、ある事件をきっかけに生まれたもので、その時、町の住人が不正を行ってしまったことが原因だった。
そのため、赤マントさんが現れ、不正を行う者を罰するという役割を持つようになってしまったのだという。
その後、町の住人たちはその呪いを解くために、何世代にもわたって様々な儀式を行ってきた。
しかし、いまだに呪いが解けず、赤マントさんは現れるたびに、不正を行う者を罰することで、町を守り続けていたのだった。
警察はこの事実を知り、町の住人たちと協力して、呪いを解くための儀式を行うことに決めた。
そして、儀式が終わると、赤マントさんは現れなくなった。
それ以降、町は平穏な日々を過ごし、赤マントさんの伝説は、あくまでも都市伝説として語り継がれていくことになった。
しかし、その呪いが再び現れることを恐れる者たちもいる。
そういった人々は、夜道を歩く際には、いつも以上に注意を払っているという。
こうして、赤マントさんの伝説は、町にとって一つの歴史となり、時が経つにつれ、より怪しさと不可解さを帯びた物語として語り継がれていくのであった。
著者／著作：怪文庫【公式】（Twitter）
