私が25才の頃、体験したお話をさせていただきます。
お盆の夜、私は急ぎの仕事があり、一人夜まで会社で仕事をしていました。
夜中12時過ぎ。
階段をゆっくり上がってくる足音がしました。(事務所は2階)
気になり、階段の方を見るも誰もいません。
しばらくすると事務所の電気が一瞬消え、また階段を上がってくる足音がして、2階の事務所の入り口のドアで止まりました。
入り口のガラス張りのドアを見ると、
紫色のちゃんちゃんこを着た老婆が立っていました。
苦しそうに深い呼吸をしていて、この世のものじゃないことは分かりました。
怖くなり、別の出入り口から走って外まで逃げました。
なんとか駐車場までたどり着き、少し冷静になりました。
しかし、事務所の一階出入口のドアの鍵を閉め忘れたことに気がつき、怖いながらも鍵を閉めに戻りました。
なんとかドアノブ以外を見ないよう、恐る恐る出入口のドアの鍵を閉めました。
急いで帰ろうとしたのですが、つい好奇心でドアの方を見上げてしまいました。
そこに、まだそいつはいました。
中からガラス窓に顔、手をこすり付けてこちらを睨む先ほどの老婆でした。
無我夢中で逃げました。
著者/著作:たかゆき(Twitter)