怪文庫

怪文庫では、多数の怖い話や不思議な話を掲載致しております。また怪文庫では随時「怖い話」を募集致しております。洒落にならない怖い話や呪いや呪物に関する話など、背筋が凍るような物語をほぼ毎日更新致しております。すぐに読める短編、読みやすい長編が多数ございますのでお気軽にご覧ください。

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ちゃんちゃんこを着た老婆

私が25才の頃、体験したお話をさせていただきます。

 

お盆の夜、私は急ぎの仕事があり、一人夜まで会社で仕事をしていました。


夜中12時過ぎ。


階段をゆっくり上がってくる足音がしました。(事務所は2階)

 

気になり、階段の方を見るも誰もいません。

 

しばらくすると事務所の電気が一瞬消え、また階段を上がってくる足音がして、2階の事務所の入り口のドアで止まりました。

 

入り口のガラス張りのドアを見ると、

 

紫色のちゃんちゃんこを着た老婆が立っていました。


苦しそうに深い呼吸をしていて、この世のものじゃないことは分かりました。


怖くなり、別の出入り口から走って外まで逃げました。

 

なんとか駐車場までたどり着き、少し冷静になりました。

 

しかし、事務所の一階出入口のドアの鍵を閉め忘れたことに気がつき、怖いながらも鍵を閉めに戻りました。

 

なんとかドアノブ以外を見ないよう、恐る恐る出入口のドアの鍵を閉めました。

 

急いで帰ろうとしたのですが、つい好奇心でドアの方を見上げてしまいました。

 

そこに、まだそいつはいました。

 

中からガラス窓に顔、手をこすり付けてこちらを睨む先ほどの老婆でした。

 

無我夢中で逃げました。

 

著者/著作:たかゆき(Twitter