広島県広島市に安芸トンネルという名前のトンネルがあります。山陽道上にあるトンネルで、よく事故が起こる場所です。
地元なのでよく通るのですが、なぜ事故が多いのかよく分かりません。特段きついカーブがあるわけでもないですし、トンネル内の照明が暗いということもないです。
今回の話は私がトンネルで実際に遭遇したものではなく、そこで起きた事故の話がめぐりめぐって私のところまで届いた不思議な話です。
私が大学1年生の秋ごろだったと思うので、今から17年ほど前のことです。
その日、私は大学の授業も午前中で終わり、アルバイトもないので昼過ぎには自宅でダラダラと過ごしていました。
当時流行っていたSNSで友達の日記を読んだりしていたとき、知らない番号から着信が……。
非通知なら無視するのですが、登録していないだけで知っている人の可能性もありますし、暇をしていたのもあって電話に出ることにしたんです。
電話口の相手は女性で、年齢は恐らく50代以降かと思います。全く知らない人です。
彼女は名乗るわけでもなく、話しはじめました。
彼女が言うことをまとめると、先に紹介した安芸トンネルで身内(話しぶりから察するに息子さんだと思います)が事故にあい、警察から引き渡された遺留品の中にメモ帳があった。その中に携帯の電話番号が書かれていて、今その番号にかけたら私が出たということでした。
いきなりそんな話をされて意味が分からなかったですし、反射的に気持ち悪いと思ってしまいました。
しかし、本当に知り合いが巻き込まれている可能性もあるので、電話口の女性に被害者の名前を聞きました。
返ってきた名前は知らない人でした。
更に気持ち悪さが増していき、何かとんでもないことに巻き込まれかけているのではないか?という恐怖も感じました。
とにかく関わりたくない一心で、女性に対して私はそのような名前の方は知らないと伝えました。女性はメモ帳に書かれていたと再度言ってきましたが、手書きのメモなら書き間違えの可能性もあり得るし、本当に知らないのだと強調して伝えました。
女性は「そうですか」と言って、そのまま電話を終えました。
電話が終わった後、安芸トンネルで人が亡くなるような事故があったのかを検索しましたが、先ほどの女性に関係ありそうな事故は見つかりませんでした。
その後また女性から電話がかかってくることもありませんでしたし、実は本当に知人が巻き込まれた事故があったという話も聞きません。
ただ、後日談があります。
上記の体験をして割とすぐだったと思いますが、私の番号が走り書かれているハードカバーの手帳を山の中で発見するという内容の夢を見ました。
そしてその隣には苔むしたご遺体のようなものがありました。
初めてそのような夢を見たので強烈に覚えていて、本当にいい気はしない夢だと感じたのを覚えています。
そして月日は流れ社会人となり、何度目かの転職で現在の会社に入ったとき、先輩から安芸トンネルについて新しい情報を耳にしました。
あの場所はトンネル内だけでなく、トンネルの上、つまり山の中でも自殺者などが多いらしいのです。
なので管理者が定期的に山に入ってご遺体がないか確認していると……。
先輩には何も言いませんでしたが、あの日の電話と夢のことを思い出して何とも言えない気持ちになりました。
今となっては真相はわかりませんが。
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