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短編

  • 2026年5月22日
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片面の怨念

カセットテープって今の時代じゃあまり馴染みが無いでしょう。   私も道端に落ちているプレーヤーを見つけた時、それとわかるまでちょっと時間がかかりましたから。   野ざらし同然に落ちていましたから、手に取っても最初は動くとは思ってなかったんですよ。でも確認したら中にテープが入っていて、驚くことに電源もオンにできたので好奇心で再生してみたんです。   実際の音声はもう少し途切れ途切れでノイズ交じりでし […]

  • 2026年3月21日
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家の前の缶

あれは私が就職して一年目の秋のことでした。   仕事にも慣れてきて、残業で夜十時くらいに帰る日々が続いており、忙しいながらに充実した日々が続いていました。   そんなある日のこと、家に帰ると、マンションの私の部屋の前に、ビールの缶が置いてあるのを見つけたのです。   なんでだろう、と思いつつ手に取って部屋に入ると、まあ何かの勧誘が来ていて留守中に置いて行ったのだろうと考え、その日は眠りにつくことに […]

  • 2026年3月17日
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いないはずの客

数年前の秋、仕事の締め切りに追われてボロボロになっていた私は、突発的にどこか遠くへ行きたいと思い立ちました。   行ったことがない場所にしようと向かったのは、長野県下高井郡にある温泉です。   その場所は、石畳の道が狭い路地に続いていて、夜になるとカランコロンと下駄の音が響くき、まるで時間が止まったような、不思議な磁場を感じる町だとSNSで見かけたので、私は木造建築が重厚な、少し年季の入った旅館に […]

  • 2026年3月7日
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安芸トンネル

広島県広島市に安芸トンネルという名前のトンネルがあります。山陽道上にあるトンネルで、よく事故が起こる場所です。   地元なのでよく通るのですが、なぜ事故が多いのかよく分かりません。特段きついカーブがあるわけでもないですし、トンネル内の照明が暗いということもないです。   今回の話は私がトンネルで実際に遭遇したものではなく、そこで起きた事故の話がめぐりめぐって私のところまで届いた不思議な話です。   […]

  • 2026年3月5日
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名前のない墓石

私が通っていた小学校の通学路に墓石が立っていました。   いかにも「お墓」の佇まいなのに名前もなく、誰かのお墓というわけでもないのかお花をお供えされているところも見たことがありません。   子供の頃は、それほど不思議に感じたこともなく誰かが噂話することもありませんでした。   中学、高校はその道を通らないのでその墓石のこともすっかり忘れていました。   大人になって肝試しをしようという話になり、ル […]

  • 2026年3月2日
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知らない影

私がまだ子供の頃の話です   私は岐阜県の田舎の促進住宅に小さい頃住んでいました。   そこでのお話から始まるお話なのですが、その住宅では私も私の姉も小さかったこともあり家族4人で並んで布団を敷き寝ていました。   とある日、夜中にふと目が覚めると身体が動かせず、怖くなってしまい声を出そうにも声が出せない状況になってしまいました…いわゆる金縛りの状態です。   その状態で、なぜか自分の力ではない不 […]

  • 2026年2月16日
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義母の念

私は昔から少し霊感がある方でした。お葬式に参列した場合も必ずその日の夜に金縛りにあったり、祖父が亡くなった後も1週間の金縛りを経験しました。   そして26歳で結婚、27歳で出産した際にまた不思議体験をすることがありました。   26歳彼にプロポーズをしていただき結婚、そして彼のご両親にご挨拶をしに彼の実家へ。その際、彼の実家にあるお仏壇にも挨拶をしました。   至って変わったこともなく過ごした数 […]

  • 2026年2月13日
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砂の客人

これは私が大学生の頃、東北地方にある父方の実家へ帰省した際に体験した出来事です。父の実家は、地図にも載らないような小さな集落にありました。   そこには一風変わった、それでいて不気味な風習が残っていました。   その村では、お盆の時期になると「砂の膳」という儀式が行われます。   通常、お盆の供え物といえばキュウリの馬やナス、お菓子などが一般的ですが、その村では違いました。   どこの家庭でも、玄 […]

  • 2026年2月9日
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緑色の人

ずいぶん昔の話ですが、私は真夏の京都の街角で、全身緑色の男性に出会いました。   そこは、京都でも一番ひと通りが多い、お土産店や飲食店がずらりと並んでいる道で、その時は陽炎がたつほどの暑さでした。   そんな炎天下の中、鮮やかな緑色の冬用の外套を着て、山高帽と手袋、靴までも緑色の装いで、涼しい顔をしてじっとたたずんでいた男性がいました。   誰にもぶつからず、不思議なことに誰も彼に興味をしめしませ […]

  • 2026年2月7日
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奥様のお迎え

私は高校を卒業後、新卒で特別養護老人ホームに就職しました。   ベッド数100床の施設なので色々な方がいます。認知症で食後なのに「ごはんまだ?」と言ってくる方や夕方になると「帰る」と言って外に出ようとする方、身体的にマヒや関節が拘縮して思うように動けず車いすで過ごす方など、本当に様々な方がいました。   不思議な体験をした話は、ある男性の利用者が入所された時に体験した話です。   入所してから奥様 […]