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2025年7月

  • 2025年7月31日
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黒い人

その黒い影を見るようになったのはいつからか。 家の中でしか見えないその影。ぱっと出ては、ぱっと消えていく。 日常の中に自然に溶け込んでいるかのように存在している。 最初は幻覚か、目の疲れなのかとも思ったが違った。 なぜなら同じ家に住む妹も目撃しているからだ。 気づいたら見るようになり、あまり恐怖は感じなかった。たまたま妹と怖い話をしている時に「たまに黒い影を見る」と話したところ、妹も「わたしもよく […]

  • 2025年7月25日
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武者人形

これは、僕がかつて体験した話です。 僕の実家は所謂、旧家であり地元では少し知られた苗字を持っています。   アレを体験したのは、桜の花が咲き始めた頃でした。   当時の僕は、高校に入ったばかりでした。   毎年この時期になると、端午の節句にあわせて【武者人形】を床の間に飾るのが僕の実家の恒例の行事でした。 もう、高校生なのにいつまで子供じみたことに付き合っていかなければならないのかと、少し辟易して […]

  • 2025年7月19日
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憑かれた元カノ

前に付き合っていた女性がいました。マッチングアプリで出会ったその人は、いつもニコニコ笑っていて穏やかな性格の人でした。   ある日のデート時、目的地である温泉施設に向かう車内でオカルト系の話題になり、元カノが自身に霊感があることを告白してきます。 部屋の隅に子供が座っていたり、怖い夢を頻繁に見て、忠告を受けることも多々あったそうです。 とある武将を先祖に持ち、父親も霊感があって、父子そろってよく取 […]

  • 2025年7月18日
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隣の空き家

俺がまだ小学6年の夏休みの頃の話だ。 うちの実家は、山と川に挟まれたような田舎町にあって、夜になれば虫の音と風の音しか聞こえないくらい静かだった。   その年の夏、母方の祖母が倒れたとかで、母がしばらく実家に帰ることになった。   父は地元の工場で夜勤がある日もあったから、俺は実質ひとりの夜を何日か過ごすことになった。   とはいえ、別に怖がりってわけでもなかったし、当時はゲームと漫画に夢中で、夜 […]

  • 2025年7月11日
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瞬きをしない人々

その日、朝から街はいつも通りの慌ただしさに包まれていて、通勤ラッシュの人々が流れるように駅に吸い込まれていきます。 私も流れに身を任せるように駅の改札を通り抜け、いつものようにホームに立っていました。   特に変わったことは何もありませんでした。 ただ一つ違ったのは、電車が混雑していていつも座れないはずが、その日は座席に座ることができました。 目の前に座っていた女性が、駅を過ぎてから急に立ち上がり […]

  • 2025年7月5日
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そっちじゃなかった

まだスマートフォンも普及していない頃、若者たちにとって情報を得るのはもっぱら「友達の友達から聞いた」「地元の先輩が言っていたらしい」話といった、信憑性のかけらもないような噂話とも言えないような代物。   それでも時間はあれど金のない娯楽に飢えた年頃の悪ガキたちは、面白半分でそんな噂話に飛びついていたものでした。 あれはそんな時代、今と同じような夏が始まる前のジメジメした空気と嫌な暑さにうんざりして […]

  • 2025年7月4日
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不思議なお菓子

これは、私がまだ小学生だったころの話です。 私は田舎で育ちました。本当に何もない、山と田んぼと古い神社くらいしかないような、そんなところです。   そのころ、私のクラスには「A君」という男の子がいました。   アジア系の外国人だったように思いますが、どこの国の子だったかははっきり覚えていません。ただ、私たちと少し顔立ちが違っていて、お母さんも片言の日本語を話す人だったので、子ども心にも「外国の人な […]